カナダはここ数年、市民社会の圧力とパートナーシップの下、脱炭素化に向けて前進してきた。パリ協定の目標に自らを拘束する法律を制定し、それを達成する包括的計画を立てた。暴走する石油・ガス部門の排出に上限を設ける規制案もまとめた。

激化する気候被害から国民を守るため初の国家適応戦略を策定。移行のあり方を決める議論の場に労働者や地域社会が正式に参加できるようにした。損失と損害では世界的リーダーシップを発揮した。ドイツと長年約束されていた1000億ドルの資金ロードマップも主導する。

「今そのすべてが引き裂かれている」

これまでの前進は地域社会、労働者、先住民族のリーダー、若者、市民社会が諦めなかったから実現した。「今そのすべてが引き裂かれている。カーニー氏は10年分の進歩を破壊してきた。わずか数カ月の間に」とCANは憤りをぶつける。

数日前に発表された液化天然ガス(LNG)拡張を含む新たな「大型プロジェクト」路線はまさに「非公正な移行」の教科書的事例だという。地域社会を通過する形で化石燃料やインフラ開発を強行し、先住民族の権利(自由意思による事前の十分な合意)を無視している。

「カーニー氏がCOP30に姿を見せないこと自体が多くを物語る。来年以降の新たな気候資金コミットメントを発表しなかったことも同様だ。資金不足と最前線の危機がCOP30の核心テーマとなっている今回の会議で極めて重大な責任放棄だ」(CAN)

カナダの気候政策は州政府の優先順位に強く依存