<プーチン大統領を国際法で裁こうと、非人道的攻撃の証拠収集が進んでいる>

防戦いっぽうのウクライナだが、国際社会の助けを得て、正規の手段でプーチンを追い込むことができるかもしれない。戦争犯罪人として責任を追及するため、活発な証拠収集が始まった。

ロシアは2月28日以降、ウクライナの民間人を故意に狙ったとみられる攻撃を増加させている。北東部オフティルカの住宅街では、幼稚園の付近にクラスター弾(国際条約で禁止されている)が着弾した。ほかにも民間施設を標的にした攻撃が加速している。

幼稚園に着弾した
BM-30多連装ロケットランチャーのロケットモーターの残骸は、民間地域でクラスター爆弾を使用していることが疑われる ハリコフ地方政府の建物へのミサイル攻撃

国際法に反するこのような蛮行を映像や記録に残し、分析して証拠を固める動きが出始めた。最終的にはプーチン大統領を国際刑事裁判所に呼び出し、実質的な終身刑を言い渡すことができる可能性がある。

市民による記録映像を分析

ウクライナ側の犠牲者はこれまでに2000人を超えた。首都キエフでは数千人もの市民が地下鉄駅で身を寄せ合い、眠れぬ夜を過ごしている。

イギリスのベン・ウォレス国防長官は、プーチン氏が中世の包囲戦を思わせる手法をとっており、「複数の都市を無差別にじゅうたん爆撃する」計画により、ウクライナを「猛撃する」目算だと警告した。意図して市民を狙う攻撃は戦争犯罪とみなされる。

こうした行為の証拠を残そうと、民間の活動が活発化している。英ガーディアン紙は、ウクライナの市民などがスマートフォンで動画を撮影し、紛争を記録に残していると報じる。

映像の多くはSNSで共有されており、これらの動画は専門の分析組織によって解析・保存される。英調査報道サイトの『べリング・キャット』もそのひとつだ。過去にはウクライナ上空で撃墜されたマレーシア航空17便事件で有力な証拠を挙げた実績がある。

同サイトでは攻撃1日目からすでに証拠の収集と分析に着手しており、民間人へのクラスター爆弾の使用を含め、市民を標的にした攻撃の証左を蓄積している。2月28日に北東部ハリコフの駐車場が爆破された事件では、べリング・キャットは分析の結果、クラスター弾だと断定した。

軍事的ターゲットから民間へシフト