<イネが育ちつつあった水田が大打撃を受けて穀物価格は大幅に上昇>

大雨による洪水は中国に食糧危機の不安を引き起こす。

中国南部で続く大雨と洪水によって、約370万の住民が避難を余儀なくされている。特に深刻な被害を受けているのが農民だ。イネが育ちつつあった水田は大打撃を受け、穀物価格は20~30%上昇。さらなる降雨が予想されるなか、習近平(シー・チンピン)国家主席は食糧危機を避けるため、「食べ物を大切に」キャンペーンを始めた。

ただし当面は心配ないかもしれない。庶民は新型コロナウイルスの再流行によるロックダウン(都市封鎖)や洪水、さらには米中軍事衝突の可能性を心配して、ここ数週間食糧を自宅にため込んできた。

習自身が飢えることもない。毛沢東時代の大飢饉でも共産党指導部には特別食を供給するシステムがあった。最近は環境汚染リスクのない安全な食品が提供されている。

いざとなれば輸入もできる。ただ頼みのアメリカとは緊張関係が続く。飢えた庶民の怒りが政権を打ち倒す──習もよく知る中国史の教訓だ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2020年8月25日号掲載>

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