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多くのプーチン支持者は「ロシアは特別」と思っている SERGEI CHIRIKOV-POOL-REUTERS

ガビシェフが沿道の人々と触れ合いながら歩いたことも効果絶大だった。大規模なデモやSNSによる抗議運動より人間味があってリアルだ。

首都へ向けて歩くガビシェフの元には一時1000人ほどが集まり、旅の様子を撮影した動画は数百万回再生された。一部の信者は彼の拘束後も行進を続けようとしたが、当局に解散を命じられた。

当局は早めに芽を摘み取った。権力と金が極端に首都に集中するロシアで、ガビシェフの体現する地方の怒りが都市に広がるのを恐れたからだ。発射前のロケットを聖水で清めるほど信心深い国では、政府は彼の旅を無視するより、自分たちも迷信を信じていることをさらすほうがましだったが、それにしては彼の「感染力」が強過ぎた。

ガビシェフの後を継ぐシャーマンがモスクワに乗り込む日は来るのだろうか。

From Foreign Policy Magazine

<2019年11月26日号掲載>

【参考記事】プーチンの国ロシアの「ざんねんな」正体

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【動画】ガビシェフの旅の様子