「何者かが顔データの照合用データにアクセスできたとしても、このデータはあえて他の顔認証システムで使っている規格とは互換性がないように作られている」と、同社の広報担当者はメールで回答した。フェイスブックの手を借りずに顔データを使うことはできないというわけだ。

しかし、問題はフェイスブックという会社そのものにある。各ユーザーの「いいね」の履歴は売っていないにせよ、個人データの扱い方に関するユーザーとの約束を破った過去がある。選挙コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカへのデータ漏洩問題がいい例で、何年にもわたり大量のユーザーの個人データの持ち出しを認めていた。

フェイスブックの顔認証データベースは現時点では無害かもしれない。だが、いつ大噴火するか分からない火山かもしれない。分かっているのは、大規模なトラブルを起こしてもおかしくない巨大なデータベースを同社が持っているということだ。

©2019 The Slate Group

<2019年9月17日号掲載「顔認証の最前線」特集より>

※「顔認証の最前線」特集では、顔認証技術のメリットとリスクを徹底レポートし、「中国製監視網」を導入した1国、セルビアについても詳報。顔認証の最先端を行く中国の幸福と不幸についても取り上げる。顔認証技術に関しては、日本のNECやパナソニックも世界でしのぎを削っているが、果たしてこの技術はどんな可能性を秘めているのか。

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※9月17日号(9月10日発売)は、「顔認証の最前線」特集。生活を安全で便利にする新ツールか、独裁政権の道具か――。日常生活からビジネス、安全保障まで、日本人が知らない顔認証技術のメリットとリスクを徹底レポート。顔認証の最先端を行く中国の語られざる側面も明かす。

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そしてユーザーが「これは誰?」の問いに答えて友人の名をタグ付けすることで、システムはさらに賢くなっていく。ディープラーニングを用いたフェイスブックの顔認証システムは「ディープフェイス」と呼ばれ、同社が「世界最大」と自負する顔のデータベースを構築している。
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