Summer Zhen Anirban Sen

[香港 6日 ロイター] - ハイテク株主導の世界的な株価急落で、多くのヘッジファンドで年初来の利益が吹き飛んだ。一部の運用担当者はリスク圧縮やチームの人員削減を余儀なくされている。

米中間選挙後の安心感による株高は短命に終わった。5日の相場急落で業界全体の損失が拡大し、ハイテク株に重点投資するファンドが特に大きな打撃を受けた。

ゴールドマン・サックスの推計によると、主にハイテク株に投資する株式ロング・ショートファンドは5日、運用成績が4%超のマイナスとなり、年初来のリターンは「ほぼゼロ」に落ち込んだ。

人工知能(AI)関連株主導の売りが始まる前の6月には、年初来リターンは最大24%に達していた。

同社によると、世界のファンダメンタルズ重視のロング・ショート運用会社は5日、平均で1.3%のマイナスとなり、複数の戦略を組み合わせるマルチストラテジー運用会社も1.4%のマイナスだった。

今回の業界の苦境を象徴するのが、運用資産170億ドルのヘッジファンド、ウォールアイ・キャピタルだ。

ニューヨークを拠点とする同社は5日付の投資家向け書簡で、社内の株式ロング・ショート事業を縮小し、株式運用チームの人員を大幅に削減すると明らかにした。ロイターが書簡を確認した。

書簡は「2026年は既に厳しい年となっていたが、2020年3月以来最悪の月間成績を記録したことを受け、会社のあらゆる側面を厳しく見直した」と説明。「ファンドの最適な規模を検討した結果、資金の一部を投資家に返還する計画だ」と記した。

市場関係者によると、複数の運用チームを抱える大手ヘッジファンド数社がここ数週間にレバレッジを引き下げ、損失を出しているチームの人員を削減した。相場下落が続けば、さらなる人員削減が見込まれるという。

10月はAI関連の借り入れコストの高止まりや投資収益への懸念が投資家心理を冷やし、厳しい相場となった。米中間選挙後の市場混乱で損失は一段と拡大した。

ハイテク大手を多く含むナスダック100指数は10月に6.6%下落、月間では1年半ぶりの大幅安となった。JPモルガンの推計では、世界のヘッジファンドの10月の運用成績は3%のマイナスだった。

ゴールドマン・サックスのグローバル・バンキング&マーケッツ部門でパートナー兼マネジングディレクターを務めるジョン・フラッド氏は5日のリポートで、多くのヘッジファンドが米中間選挙前に大幅にリスクを圧縮していたため、4日の安心感による株高で買いを入れたものの、翌日には相場が逆行し、裏目に出たと指摘。「ヘッジファンドは、買ったばかりの市場の一角(ハイパースケーラー)を再び売却している」と述べた。

調査会社ピボタルパスは今週のリポートで、マルチストラテジー型ヘッジファンド上位10社の保有銘柄の重複度が高く、さらに高まりつつあると指摘。ポジション解消に伴う売りが、多くの同じ銘柄に集中する恐れがあると警告した。

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