David Lawder Steve Holland Noel Randewich
[ワシントン 5日 ロイター] - 米中間選挙で民主党が圧勝したことを受け、5日の株式市場でハイテク株が急落した。同党が州政府や連邦議会での勢力拡大を足掛かりに新たな規制を導入し、今年の株高を支えてきた人工知能(AI)インフラの整備が減速するのではないかとの懸念が広がった。
3日の中間選挙では民主党が上院で共和党から7議席を奪取、下院で少なくとも39議席を増やし、知事のポストも新たに5州で獲得した。5日の米株市場は全面安で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は5.5%安と、19カ月ぶりの大幅な下落率を記録した。
選挙結果には、トランプ米大統領に対する全米の幅広い不満が表れた。特に、燃料費の高騰を招いた対イラン戦争への反発が、テキサス、サウスカロライナ、カンザス、アイオワなどが優勢な州で民主党の勝利を後押しした。
シムコープの投資判断リサーチ部門グローバル責任者メリッサ・ブラウン氏は「新たに選出された連邦議会議員や州知事の一部が、AIインフラ開発のペースを落とそうとしていることを、投資家は認識し始めているようだ」と指摘。「開発を完全に止められる可能性は低いとみられるが、AIの成長シナリオはそれを支えるインフラの急速な整備に大きく依存してきただけに、少しでも減速すれば懸念材料になる」と述べた。
3期務めた共和党のグレッグ・アボット氏を破ってテキサス州知事に選出されたジーナ・イノホサ氏は、データセンターの新設を停止すると公約している。同州は、こうしたAI向けサーバー施設の市場が最も急速に拡大している地域の一つだ。
連邦議会の民主党議員も、データセンターに伴う電気料金の上昇から消費者を守る法律や、AIシステムに独立した検証を義務付ける新法の制定を求めている。
民主党の勝利により、データセンター新設の反対派は発言力を増す見通しだ。データセンターはAIブームの中核を担う一方、騒音を発し、大量の水と電力を消費するため、近隣住民の反発が強まっている。
一方、トランプ氏はこの日、公の場に姿を見せた唯一の機会を、ホワイトハウスの大統領執務室を国定記念物に指定するための文書への署名に充てた。
「われわれはこの執務室で多くの勝利を収めてきた」と記者団に述べ、株式市場の急落やAI規制強化の可能性には言及しなかった。
接戦となっているアラスカ、ミシシッピ両州の上院選は、いずれも民主党候補が僅差でリードしているものの、5日時点で勝敗が確定していない。民主党がさらに2議席を上積みし、民主56、共和44議席となる可能性が残っている。