[パリ/ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州議会の議員14人は4日、中国電気自動車(EV)大手BYD(比亜迪)の車が安全保障上の脅威となるかどうか評価し、公共調達からの排除を含む制限措置を検討するよう欧州委員会に要求した。
米軍は先月、日本の沖縄県にある嘉手納基地でBYD車の使用を禁止。具体的な懸念内容に言及しなかったが「容認できず、軽減もできないリスク」があるとしている。
欧州議員らは欧州委に提出した書面質問で、EUのサイバーセキュリティー機関に脅威レベルの評価を要請するとともに、BYDを高リスク供給業者のリストに加える可能性を検討するよう求めた。
この動きを主導するフランス選出のフランソワ・カルフォン欧州議員は質問書の前文で、中国の2017年国家情報法により、中国企業は国家への協力を義務付けられていると指摘。「第三国のコネクテッドカーが欧州の重要インフラにアクセスすることを認めれば、容認できない安全保障上のリスクをもたらす」と訴えた。
またカルフォン氏はポーランド、英国、イスラエルが講じた措置に言及したほか、ブランド名には触れなかったものの、ノルウェー軍兵士が軍事演習でレンタルした中国製車両が兵士や軍事基地の入館コードを撮影していたことを確認したと主張した。
BYDはロイター宛ての声明で「クラウド上または車両内で処理・保存されるデータが中国から遠隔アクセスされることはない」と説明した上で、顧客がデータの管理権を保持しており「BYD欧州はこうしたデータを中国のBYD関連会社や第三者に提供していない」と強調した。
議員らは欧州委に、中国製車両による戦略的な軍民両用インフラへのアクセスを制限する意向があるかどうかや、BYDを公共調達の対象から除外する考えがあるかについても回答を促している。
欧州委は9月、公共調達において落札企業の欧州域内調達比率を高める可能性がある新規則を提案した。ただ、BYDはハンガリーに生産拠点を持ち、欧州でさらなる工場建設も計画しているため、同規則の下でも入札参加が可能となる見通しだ。
通常の場合、欧州委は欧州議員からの質問に対して6週間以内に回答する。
一方、カルフォン氏は4日、フランスのルコルニュ首相宛てにも書簡を送付し、中国製コネクテッドカー、特にBYD車によるスパイ活動のリスク抑制に向けた一連の対策を講じるよう求めた。