混沌とする世界情勢下、企業経営における「不確実性」への向き合い方が問われる中、未来を洞察し、組織の意思決定に結びつける「フォーサイト」への関心が高まっている。こうした流れを受け、日本総合研究所(日本総研)は7月、セミナー「未来を考える組織を根付かせるヒント」を開催した。

同社の未来デザイン・ラボが2015年の発足から10年の節目を迎えたことを踏まえ、これまでの歩みと、企業が「未来を考える力」を組織文化として定着させるための実践知を共有。パネルディスカッションに参加した企業からは各社の取り組みが紹介され、今後の展望、未来を指示した。

企業が未来に向き合う難しさ

冒頭、日本総研リサーチ・コンサルティング部門本部長の石田直美氏が開会の挨拶に立った。石田氏は、変化の速度が増す事業環境の中で、多くの企業が中長期のビジョンを描くことに難しさを感じている現状に触れ、本セミナーが「未来を考える組織をいかに根付かせるか」という一段実践的なテーマに踏み込むものであることを紹介した。

続いて登壇した未来デザイン・ラボ プリンシパルの八幡晃久氏は、取り組みの軌跡を回顧。ラボは2015年、未来洞察の手法を企業実務に導入・実践した先駆者を中心に、日本総研の中に立ち上げられた組織だ。単なる未来予測やデータ分析にとどまらず、世界中から集めた「未来の兆し」を丹念に読み解き、複数の未来シナリオを構想する「ホライズンスキャニング」という手法を軸に活動してきた。

未来を考える組織はどう定着するのか
予測は「あたってなんぼ」、洞察は「気づきが大事」という八幡氏

八幡氏はまず、「未来予測」と自分たちが行う「未来洞察」の違いに言及した。未来予測が過去のデータの延長線上に一つの解を求めようとするのに対し、未来洞察は「起こるか起こらないかわからない」複数の可能性に目を向け、その中から自社にとって意味のある変化の兆しを見つけ出すアプローチだという。未来がどうなるかは、最終、誰にも分らない。そのため、複数の可能性に目を向け、自分たちで未来を能動的に創り上げていく必要がある。

未来を考える組織はどう定着するのか
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