[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会メンバーのペドロ・マシャド氏は3日、銀行規制の簡素化に向けた取り組みの一環として、金融危機で導入された主要自己資本規制の緩和を期待すべきではないとの見解を示した。
欧州で事務負担の軽減と融資拡大に向けた議論が進む中、マシャド氏は、2008年の世界金融危機後に導入された自己資本要件の引き下げを求める一部銀行業界の声に反論。特に、銀行が独自の内部モデルによるリスクの数値化で自己資本を削減する際、これに下限規制を設ける国際ルール「アウトプットフロア」を擁護した。
同時は金融関連の会合で「厳格な自己資本基準を維持し、内部モデルに対する安全策としてのアウトプットフロアの役割を守るとともに、破綻処理費用への対応を続けるべきだ。規模の拡大が納税者の負担につながらないようにする必要がある」と述べた。
欧州の銀行は規制緩和を求める働きかけを強めている。米国の競合行に比べて競争上不利な立場にあり、要件を緩和すれば経済への資金供給を増やせると主張している。
しかしマシャド氏は、自己資本要件の引き下げが大きな経済的利益をもたらすという主張を裏付ける証拠は研究でも乏しいと指摘。米大手銀行に適用される規制が欧州より大幅に緩いとの主張にも疑問を呈した。
一方、健全性基準を引き下げることなく、小規模銀行の報告や監督に伴う負担を減らす対象を絞った措置については、ECBは支持するとの立場を改めて示した。