Stella Qiu Wayne Cole
[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は3日、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、18年ぶりの高水準となる4.85%とした。利上げは今年に入って5回目。ただ、賛成6、反対3と予想外に票が割れ、金融引き締め局面が終わりに近づいている可能性を示した。
中銀はインフレ率を目標に戻すために必要と判断する措置を引き続き講じると表明した。一方、必要に応じて追加利上げを行うとの文言は削除した。
タカ派姿勢が後退したとの見方から豪ドルは下落、12月の金利据え置き観測が強まった。 豪ドルは0.3%安の0.6979米ドル、3年債先物は4ティック安の95.13となった。
ロイター調査ではエコノミスト32人中30人が利上げを予想し、市場も88%の確率で利上げを織り込んでいた。
中銀は声明で「インフレ見通しの修正と根強い上振れリスクを踏まえ、インフレ率の目標回帰を後押しするため、金融環境を一段と引き締めることが適切と判断した」とし、「インフレ率を持続的に目標に戻すため、必要と判断する措置を引き続き講じる」と表明した。
豪中銀の今年の利上げ幅は計125bpに達し、2025年の計75bpの利下げ幅を上回った。
ブラックロック・オーストラリアの債券戦略責任者、キャサリン・パーマー氏は「豪中銀にとっての課題は、成長の勢いが鈍り始める一方で、インフレが高止まりしていることだ」と指摘。「今年の金融引き締めの影響は、まだ経済全体に波及する途上にある。豪中銀は今後発表される経済指標や政策効果の波及状況を見極めながら、ここからは金利を据え置くと予想する。ただ、インフレ圧力が弱まらなければ追加利上げに踏み切る選択肢は残すだろう」と述べた。
デロイト・アクセス・エコノミクスのパートナー、スティーブン・スミス氏は、家計が支出を削減し、企業が需要の軟化に直面する中、6対3の採決は政策当局者が迫られている難しい判断を反映しているとし、「今回の利上げは、インフレ率が高止まりする中でも、27年にかけて成長が予想以上に鈍化するリスクを高める」と述べた。
豪中銀はこの日公表した四半期金融政策報告で、インフレ見通しを大幅に上方修正し、金利が今後1年以上にわたり現行水準付近にとどまると仮定しても、インフレ率はより長期にわたり高止まりするとした。
これは低成長と根強い物価上昇圧力が長期間続く可能性を示している。
スミス氏は「既に支出を削減している家計や、売り上げの減少に直面する企業にとって厳しい結果だ。今回の利上げ決定が6対3に割れたのは、こうした事情によるのかもしれない」と述べた。
<インフレ定着を懸念>
豪中銀は原油高が経済全体の物価上昇圧力に波及し、インフレ期待が不安定化することを懸念している。基調的なインフレ率は5年以上にわたり中銀の目標レンジである2─3%を上回っており、第3・四半期には2年ぶりの高水準となる3.7%に加速した。
金融引き締めの影響が最も鮮明に表れているのは住宅市場で、過去40年で最大の落ち込みとなる可能性がある。住宅市場の低迷は逆資産効果を通じて家計支出を抑制するほか、不動産仲介業者や引っ越し業者など住宅取引に関連する業種にも波及すると予想される。
労働市場も軟化し、失業率は5年ぶりの高水準となる4.7%に達している。ただ、豪中銀は労働需給が依然やや逼迫し、インフレ圧力の一因になっているとみている。
豪経済は借り入れコストの上昇を受けて減速しているが、インフレ懸念が和らぐほどではない。供給力が限られる中、データセンターへの投資ブームが引き続き需要を押し上げている。