Helen Clark Byron Kaye
[ダーウィン/シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア最大級のデータセンター計画を進める開発会社が、当初の稼働開始目標を撤回した。環境規制当局が環境審査の条件設定に通常より長い時間が必要と判断したのを受けた措置。迅速に人工知能(AI)投資を行える国を目指すオーストラリアにとって逆風となる。
この計画「プロジェクト・アレス」は新興企業エナジー・ノースが、同国北部の遠隔地にある牧場に、天然ガスと太陽光発電を動力源とする発電容量1ギガワットのデータセンターを建設する。同社は資金調達のめどが立ったとし、4カ月前の規制当局への提出書類で、2028年6月28日を「初回送電」の目標日としていた。
しかし、同社がロイターに明らかにしたところでは、ノーザンテリトリー(北部準州)の環境規制当局は10月7日、同プロジェクトが満たすべき環境上の条件を決定するための7週間の期限を停止すると発表。これを受けて同社はスケジュールを撤回した。
同社のプロジェクト開発担当副社長ダニエル・ハンター氏は電子メールで、2028年6月は当初の暫定的な日程であり「現在はそれを前提に進めていない」と述べた。
このプロジェクトはオーストラリアで延期を余儀なくされたデータセンターとして最大規模。都市部との違いを前面に出す同国北部でさえ、データセンター構想の実現には障害があることが示された。北部準州政府は広大な無人の土地と豊富な日照を武器に、AI投資の誘致を目指している。
北部準州の規制当局はこの件で連邦政府に助言を求めるとしたが、新たな審査期限は示さなかった。連邦政府は「データセンターおよびAIインフラ開発業者に対する政策上の期待」を策定中だという。
オーストラリアのデータセンター計画を巡っては、メルボルンで電力供給懸念から日程が延期されたり、シドニーで住民の反対を受け撤回されたりした事例もある。