[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリアの住宅価格は10月まで7カ月連続で下がり、下落ペースは過去40年で最も急速となった。住宅市場にとっては、追加利上げ観測の高まりがさらなる痛手となっている。
不動産データ会社コタリティが2日公表した統計によると、10月の全国住宅価格指数は前月比1.2%下落した。9月の下落率は従来の1.3%減に下方修正され、住宅価格はピーク時から6.7%、前年同月比では2.8%それぞれ下落した。
同社によると、主要都市圏の住宅価格は過去7カ月間で下落率が8.1%と過去40年で最も速いペースを記録。新型コロナウイルス禍後のインフレ抑制を目的にオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が大幅な利上げを実施した2022-23年の同期間の下落率7.0%を上回った。
10月は中規模都市で下落が目立ち、ブリスベンの住宅価格は前月比2.0%、パースは1.7%それぞれ下落した。両都市は過去5年間でおよそ50%上昇していたが、その上昇分の一部が失われた。シドニーの住宅価格は10月に1.6%下落し、5年前の水準を1.5%下回った。
コタリティの調査責任者ティム・ローレス氏は「買い手はより多くの物件から選択でき、交渉力も高まっている。1年前のように価格上昇を見越して急いで購入する状況ではなくなった」と指摘した。
その上で「買い手市場となっているにもかかわらず購入者の動きは鈍く、消費者心理の低迷や借り入れ能力の制約が続いていることを反映している」と述べた。
住宅販売も低調で、取引件数は前年同月比23%減となり、過去5年平均を18%下回った。特にシドニーでは取引件数が前年同月比30%減と落ち込みが大きかった。
市場では、RBAが次回理事会で政策金利を0.25ポイント引き上げ、18年ぶりの高水準となる4.85%にすることを決めるとみられている。想定される利上げ確率は約90%で、政策金利が5.1%に達する可能性も20%程度見込まれている。
RBAは住宅市場の低迷を景気の下振れリスクと位置付ける一方、金融システムの安定性への影響については限定的との見方を示している。住宅価格が20%下落した場合でも、大半の住宅ローン保有者は資産価値が負債額を上回る「含み益」を維持できるという。