企業概要と取り組み紹介
キッツは、バルブを中心に、水やエネルギーなど社会インフラを支えてきた。同社は企業理念「キッツ宣言」で、「流体制御技術と材料開発で社会インフラを支え、ゆたかな地球環境と持続可能な未来を創造していきます」と掲げる。
サステナビリティ基本方針のもと、「事業を通じた社会課題の解決」「社会から信頼される企業経営」「あらゆるステークホルダーとの信頼関係構築」を進めており、地域の水レジリエンス向上もその理念を具体化する活動の一つである。
その中心となるのが、重機が入れない山間部でも人力で搬入できる軽量・コンパクトな設計で、濁水に対応する膜ろ過・消毒機能、全自動での無人運転機能なども備えている可搬式浄水装置「アクアレスキュー」である。平時の小規模水道から災害時の応急給水まで対応できる、いわば「移動する浄水場」だ。
2024年の能登半島地震では、発災から4日目に自衛隊が活動する避難所へ入浴用水を供給した実績もある。
こうした装置の強みは、地域のネットワークと組み合わさることでさらに生きる。2026年4月の熊本地震では、西原村に設置されたアクアレスキューがその場で給水するだけでなく、地域一帯の給水拠点として機能した。
給水車が浄化した水を貯水し、道路事情などにより支援が届きにくい奥地の集落まで運ぶことで、アクアレスキューを起点とする給水ネットワークが形成された。
2026年の愛媛県総合防災訓練でも、近隣自治体の担当者に災害時の給水について説明し、実機を使った浄水・給水のデモンストレーションを行っている。
さらに2023年には、一般社団法人災害時緊急支援プラットフォームとの連携を進め、災害発生時に迅速に支援活動へ移れる体制づくりを進めた。今後は自治体との広域支援ネットワークをさらに拡大し、地域の水レジリエンス向上に貢献することを目標としている。
水を浄化する装置を置くだけでは、災害への備えは完成しない。誰が使い、誰と連携し、どのように地域へ届けるのかを平時から確かめておくことで、設備は初めて「いざという時に使える仕組み」になる。
防災訓練から信頼関係を育て、その関係を災害時の水へとつなげるキッツの取り組みは、「水が確保できる」という地域の日常を、平時から支える挑戦でもある。
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どの企業も試行錯誤しながら、サステナビリティの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。