[ロンドン 28日 ロイター] - ヒーリー英財務相は28日、バーナム政権で初となる予算案を議会に提示した。これにはエネルギー価格高騰が家計に与える影響を緩和する財源として、銀行税の引き上げが含まれている。
下記はヒーリー氏が発表した主なポイントだ。
◎銀行税
ヒーリー氏は所定の基準額を超える銀行の利益に対する追加課税を、15カ月間にわたって6%へ倍増させる案を示した。これは金融機関が懸念していた水準よりは低い。
◎ネット通販課税強化
2027年10月から米アマゾン・ドット・コム、イーベイ、中国発の「Temu(テム)」などのインターネット通販は、自社のプラットフォーム上で商品を販売する小売業者が納付すべき付加価値税の徴収責任を負うことになる。これにより実店舗向けの事業税減税の財源が確保される。
◎エネルギー料金高騰対策
エネルギー料金高騰の対策として、2000万世帯の家庭に100ポンドの給付金を支給する。
電気料金に対する付加価値税の一時的な引き下げ期間は7月まで延長される。
現在は年間約108ポンド課金されている家庭用ガス料金の基本料金は、早ければ来年にも廃止される。
燃料税の税率凍結を維持し、22年に実施された一時的な引き下げを少なくとも7月まで延長する。
◎最低賃金
18―20歳の労働者と、21歳以上の労働者の両方とも最低賃金を3.9%引き上げる。
◎権限委譲
イングランド各地域の市長は来年から事業税の20%、28年からは所得税の一部を留保できるようになる。
◎中小企業固定資産税の軽減措置
小規模な小売業、宿泊・飲食業、レジャー業の事業者は、事業税(商業用不動産の課税評価額、すなわち市場価格に基づく年間賃料の公式推定額に基づいて課される固定資産税)の納付基準額が、従来の1万2000ポンドから1万8000ポンドへ引き上げられる。その結果、事業者7万社が事業税の課税対象外となる。
◎ギャンブル
ギャンブルに使うスロットマシンの一部の純収益に対する税率を20%から25%へ引き上げる。
◎防衛
防衛投資計画の資金不足を穴埋めするため、各省庁の予算の削減を進めるとともに、「財務省の資本準備金に含まれる未配分の予備費」を活用する。
ロシアに侵攻されたウクライナに対し、英政府は5億ポンドの緊急資金、3年間で計70億ポンドの経済支援、30億ポンドの輸出金融供給枠を提供する。
◎ISA上限引き下げ計画撤回
ヒーリー氏は非課税個人貯蓄口座(ISA)の上限額を大幅に引き下げる計画を撤回した。リーブス前財務相が65歳未満の投資家に対して1万2000ポンドへの引き下げを計画していたのを取りやめ、全ての投資家の上限を2万ポンドに維持すると表明した。
◎住宅
初めて住宅を購入する低所得者は、政府が保証する47億ポンドの融資を活用した住宅ローン制度を27年から利用できるようになる。
手頃な価格の住宅建設を加速させるため、15億ポンドを追加で投じる。
過去に開発済みの土地での小規模な住宅開発については、生物多様性に関する要件を撤廃する。
◎データセンター運営
データセンター運営事業者には優先的な送電網接続や、必要に応じた敷地内での発電施設の建設許可と引き換えに、地域社会への投資、雇用創出、水資源の保護が求められる。
◎投資
英国の政府系融資機関およびインフラ銀行には、今後5年間程度にわたってそれぞれ154億ポンド、50億ポンドの追加資金を投入する。
◎路上生活者対策
英政府は路上生活者を救済するための支出を倍増させ、今後2年間に4億3200万ポンドを追加投入する。