[ロンドン 28日 ロイター] - ヒーリー英財務相は28日、政府の国防投資計画に生じている47億ポンド(63億ドル)の財源不足について、他省庁予算の優先順位を見直して穴埋めすると表明した。政府は同計画を通じ、北大西洋条約機構(NATO)が求める防衛費目標を実現する決意を示したい考えだ。防衛関連投資の拡大に向けた機関も設立する。
ヒーリー氏はバーナム政権として初の予算演説で、英国が2035年までに防衛費を国内総生産(GDP)比3.5%へ引き上げるというNATOの目標の達成、およびそれに先立つ30年までの3%達成に向けて「公共支出を厳しく精査する」方針を採ると述べた。
「今回の予算では、政府各省の投資配分の優先順位見直しを通じて、国防投資計画の財源を完全に手当てした。これは私自身と首相が行った約束を果たすものだ」とした。
予算の詳細をまとめた政府の「レッドブック」によると、47億ポンドの財源不足のうち30億ポンドは、27/28年度から29/30年度にかけて各省庁の投資予算を追加で1%削減することで捻出する。残る17億ポンドについては、財務省が保有する資本準備金の未配分部分から充当する。
ヒーリー氏は、防衛費をGDP比3%および3.5%へ引き上げるための詳細計画については来年の歳出見直しで公表すると改めて説明した上で「民間部門や国際的な同盟国と連携し、より革新的な資金調達手法を活用する決意だ」と述べた。
また防衛投資拡大を目指す「革新的防衛金融タスクフォース」を立ち上げるほか、再軍備を進める各国への民間資金導入を促す「多国間防衛メカニズム(MDM)」創設に向けた条約交渉を開始する意向も示した。
ルッテNATO事務総長は英国の取り組みについて「防衛への強力なコミットメントを示すものだ。英国の大西洋横断安全保障における役割は極めて重要であり、全てのNATO加盟国が行った約束の達成に向け、信頼できる道筋を示す今回の動きを歓迎する」とXに投稿した。
バーナム政権が防衛費増額に向けて具体的な計画の提示を迫られていた中で、GDP比3.5%達成への詳しい工程表の提示が先送りされたことで、主要野党である保守党からの批判は一層強まる可能性がある。保守党は、ヒーリー氏が28日の予算発表で信頼できる計画を示せなければ辞任すべきだと主張していた。