Maria Martinez
[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)の報告書によると、同国のアジア太平洋地域に対する貿易赤字は2026年に1460億ユーロ(1630億ドル)近くと、過去最大に達する見通しだ。中国向け輸出の減少が域内の他市場向けの増加を上回ることが背景。ロイターが報告書を入手した。
こうした状況は、中国企業が先端技術や機械、電気自動車(EV)の国内生産を拡大する中、かつて最も重要な海外市場の一つだった中国で、ドイツの輸出企業が直面する課題が深刻化していることを示している。
26年のアジア太平洋地域の主要29カ国・地域向け輸出は3.2%減の1853億ユーロとなる見通し。一方、輸入は6.4%増の3309億ユーロと予想されている。
<中国の需要鈍化、独輸出企業に打撃>
GTAIによると、中国はドイツとアジア太平洋地域との財貿易の約半分を占め、全体の数値に大きな影響を及ぼしている。
中国を除くと、26年の同地域向け輸出は2.8%増加し、貿易赤字は350億ユーロ弱にとどまる見通しだ。
報告書によると、26年1─7月の中国向け機械輸出は前年同期比18%減少した。同期間の自動車輸出は30%減少した。
中国でのドイツ車販売台数は、500万台を超えていたピーク時からほぼ半減した。中国メーカーがEV分野で勢力を拡大し、電池のサプライチェーン(供給網)を掌握している状況から恩恵を受けている。
<インド・東南アジアの存在感高まる>
GTAIによると、インドはドイツ企業にとって市場としても調達先としても重要性を増している。
ドイツのインド向け輸出は過去10年間でほぼ倍増し、インドからの輸入も同様に拡大した。
日本は、過去6年間のユーロやドルに対する円の大幅下落で購買力が低下しているものの、ドイツ企業にとって比較的安定した市場であり続けている。
GTAIはまた、26年の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟11カ国向け輸出について、航空機の引き渡しに支えられ、輸入を上回るペースで増加すると予想している。
より長期的には、同地域は衣料品や履物の供給地という従来の役割を超え、電子機器や電気機器の調達先として重要性を増している。