タンザニアとの国境まで80キロの小さな村で機関車が脱線。ムクバ・エクスプレスは8時間前に停止したきり動かない。整備士は「もうすぐ発車します」と言うが、復旧修理作業の機材は近くにない。

筆者がザンビア中部のカピリムポシでタンザン鉄道の急行列車に乗ったのは2日前のこと。だが列車が立ち往生しても、人生は続く。線路脇では子供たちがサッカーをし、女性たちがマンゴーを売り、食堂車では乗客がトウモロコシ粉を練って作るウガリと青菜の炒め物を食べている。

その様子を見ながら、筆者は乗客の知らない大きな力に引っ張られてきたアフリカの鉄道を思った。植民地時代の線路敷設から現在の外国資本による巨大開発事業に至るまで、アフリカの鉄道は常に影響力と競争と支配の道具にされてきた。

タンザン鉄道も過去150年間に外国勢力が東アフリカで建設、あるいは建設資金を提供した多くの鉄道事業の1つだ。

今も昔も鉄道インフラの大半は外国資本に支えられ、必要な輸送能力を提供する一方、外国による支配の強力な手段となる。近年では天然資源へのアクセスや政治的影響力、経済的支配を得ようとアフリカ以外の各国政府が競い合い、数十億ドル規模で資金を投入している。

中南部ではアメリカと中国の競争が激化。重要鉱物の銅やコバルトが豊富なコンゴ民主共和国とザンビアでは、米中それぞれの支援を受けた再開発プロジェクトが動いている。

植民地時代を想起させるプロジェクト
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