日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。

2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。

先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。

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空き家をどう生かすか。各自治体に解決が委ねられているこの問題は、建物の老朽化への対応だけでなく、解体時に発生する大量の廃材をどう扱うかという資源循環の課題とも深く結び付いている。

傷んだ住宅を解体し、新しく建て直すことが合理的な選択となる場合もある。しかし、古い建物に使われている木材や建材の中には、再利用できるものもあるはずだ。建物を単なる廃棄物として処理するのではなく、「地域に眠る資源」として捉え直すことはできないだろうか。

そんな問いに向き合っているのが、住宅設備・建材メーカーの株式会社LIXILをはじめとする、産官学が連携して取り組むコンソーシアムだ。

空き家は「資源」? 地域に眠る価値を問い直す

LIXILは鹿児島県大崎町と大崎町SDGs推進協議会、鹿児島大学と2024年6月25日に協定を締結。産官学の4者が連携し、空き家を資源として評価し直す実証プロジェクト「住宅改修における資源循環実証調査事業」を展開している。

大崎町は、自治体として過去17回、リサイクル率日本一を達成した実績を持つ。25年以上にわたって廃棄物の80%以上をリサイクルし、住民とともに資源循環の仕組みを築いてきた町だ。     

きっかけは、LIXILが大崎町の「STUDY TOUR」に参加したことだった。「STUDY TOUR」とは、焼却炉に頼らない「大崎リサイクルシステム」の現場を巡り、循環型社会の構築プロセスを学ぶプログラムだ。

LIXILは環境ビジョン2050「CO2ゼロと循環型の暮らし」を掲げ、原材料の調達から製造、使用、廃棄まで、製品ライフサイクル全体の環境負荷低減を進めている。その一環として、住宅改修や解体の現場で資源を再利用する仕組みを実証・評価できるパートナーを探していた。

リサイクルの豊富なノウハウを持つ大崎町と、建材のライフサイクル全体で資源循環を目指すLIXIL。双方の理念が重なり、鹿児島大学などとの協働体制を構築。地域の空き家問題の解決に向けた挑戦へと発展した。

このプロジェクトには大きく2つの視点がある。1つは、空き家を改修して使い続ける「不動産資源」としての価値。もう1つは、解体しても建材を再利用できる「資源貯蔵庫」としての価値だ。

改修時に投入する資源や発生する廃材を調べ、すべての廃材をリサイクルした場合の費用を検証する。さらにLCA(ライフサイクルアセスメント)を用いて環境負荷を評価し、新築などと比較した改修のメリットを定量的に明らかにする。

目指すのは、空き家をただ減らすのではなく、その一棟一棟に眠る価値を次の世代へつなぐ仕組みづくりだ。

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