Kentaro Sugiyama Makiko Yamazaki
[東京 22日 ロイター] - 2027年春闘の基本構想で連合は賃上げ率(定期昇給込み)を「6%中心、5%以上」とし、従来より高い数値目標を設定した。これまで3年連続で5%超の賃上げを実現してきたが、芳野友子会長は全体の底上げが足りないと主張する。一方、賃金情勢に詳しいエコノミストの間では5%前後で着地するとの見方が多い。
連合は22日、「6%中心、5%以上」とする基本構想を発表した。過去3年にわたり目標に掲げた「5%以上」を実現してきたことを踏まえ、より高い目標を設定する必要があると判断した。一方、目標達成に至っていない産業別組織や単組は、引き続き5%以上が目標になるとした。
連合は24年春闘で「5%以上」を賃上げ目標の目安とし、25年は「その実現を目指す」、26年は「その実現にこだわる」と段階的に表現を強めてきた。
妥結結果は24年が5.10%、25年が5.25%、26年が5.01%と3年連続で5%台を確保したが、企業規模間や産業別の格差が課題となっている。27年も大企業・製造業が相場形成をけん引する構図は続くとみられる中、中小企業や非製造業への賃上げの波及が焦点となる。
同日会見した芳野会長は「5%以上の賃上げ率となった加盟組合の比率はいまだ5割に届いていない。全体の底上げの余地は、まだまだある」と語った。
連合の基本構想では、単年度の賃上げ目標に加え、2030年をめどに現行水準から15%程度引き上げる中期目標も新たに設定した。
海外主要国で賃金が年1─2%ずつ上昇していることを踏まえ、「少なくとも日本全体の実質賃金の改善スピードを1%以上で維持」しつつ、中期的に日本全体の生産性を引き上げることでさらに加速する必要があると指摘した。
実際の賃上げ率は例年、要求水準を下回る。連合は6%を中心水準として掲げたが、民間エコノミストの間では5%前後で着地するとの見方が多い。
伊藤忠総研の高野蒼太・副主任研究員は、構造的な人手不足が続く中、賃上げ率が大きく下振れするリスクは高くないと指摘。ただ、昨年に比べて物価上昇率が鈍化していることなどから「4%台後半に着地する可能性が高い」と話す。
みずほ総合研究所の服部直樹チーフ日本経済エコノミストは、27年の賃上げ率を定昇込みで5%ちょうどと予想する。企業収益や雇用環境を踏まえれば、5%前後の賃上げは十分実現可能だとみる。
日銀は持続的・安定的な2%の物価目標実現に向け、賃金と物価の好循環を重視している。連合は年内に正式な27年春闘方針を決定し、その後、各産業別組織や単組が要求内容をまとめる。27年の春闘の動向は、今後の金融政策運営を占う上でも重要な材料となる。