Nathan Crooks Arathy Somasekhar

[タイタスビル(米ペンシルベニア州)/ヒューストン 20日 ロイター] - 米エネルギー省の高官2人は20日、燃料増産に向けて国内外の石油精製業者と協力していると明らかにした。軽油不足で価格が上昇し、11月の中間選挙を前に有権者の政権への不満が高まっている。

軽油価格は、中東紛争による供給混乱とウクライナによるロシアの製油所攻撃を受け、過去最高に急騰している。

トランプ政権は、2月28日の対イラン戦闘開始以来上昇している燃料価格の引き下げに向け、複数の措置を講じてきた。ロシア産軽油の輸出制限緩和や、増産に向けた国防生産法の発動に加え、通常は公道を走行しない機械などに用途が限られる赤色軽油の商用車での使用を認めた。

軽油は、貿易や経済活動を支える運輸、農業、重工業の多くで動力源として使われ、世界経済に不可欠だ。

ライト米エネルギー長官はヒューストンで「稼働できる製油所は全て再稼働させる方向で話し合っている」と述べた。「協議は行われているが、難しい課題だ。全てが実現すると言っているわけではない」とした。

<米国内の増産は困難>

アナリストによると、米国の製油所はほぼフル稼働している上、近年は複数の施設が閉鎖されており、国内生産を迅速に増やす余地は乏しい。

製油所の拡張には多額の資金が必要で、増設設備の複雑さによっては、完成まで数カ月から数年かかる。

ライト氏は、インドでの石油精製量を増やし、石油製品を世界市場に供給するため、同国とも協力していると述べた。

米石油協会(API)のマイク・ソマーズ最高経営責任者(CEO)は、ペンシルベニア州タイタスビルで開かれたエネルギーフォーラムの合間にロイターに対し、米国の製油所の稼働率は95─100%に達していると説明。価格高騰を受け、定期保守を先送りしていると述べた。

ソマーズ氏は、政権が検討している国防生産法を活用した休止施設の再稼働には、多額の資金が必要だと述べた。

バンス米副大統領は先週、デレクUSホールディングスがテキサス州に保有する製油所の能力拡張に国防生産法を活用すると述べた。

トランプ氏は2025年、国家安全保障上重要とされるエネルギー関連事業に対し、国防生産法に基づく10億ドルの資金を盛り込んだ法案に署名し、成立させた。

ライト氏は、石油精製と国防生産法について「さらに取り組むべきことがある」と述べたが、詳細は示さなかった。

ソマーズ氏は中国の余剰精製能力に注目し、中国政府が現在、軽油輸出を禁止していると指摘。「長期的に価格を引き下げるには、中国政府がまさに鍵を握る」と述べた。

在ワシントン中国大使館の報道官は、問題解決の鍵はイランでの停戦実現だと説明。「中国は、世界のエネルギー安全保障を共同で守り、産業網と供給網の安定を維持するため、全ての関係者との意思疎通を続ける用意がある」と述べた。

<欧州に軽油放出を要請>

トランプ氏は今月、価格引き下げに向け、ロシア産軽油に対する制裁を一時的に免除した。ライト氏は、ロシア産軽油が米国に輸入される場合、ニューイングランド地方に向かう可能性が高いと述べた。

トランプ政権はまた、世界市場の需給を均衡させるため、欧州に燃料放出の拡大を働きかけている。

ハウストベイト米エネルギー次官は、タイタスビルで開かれたエネルギーフォーラムで「友好国と協力し、製油所の処理量を増やすための新たな革新的手法を探っている」と述べた。

トランプ政権は欧州に軽油5000万バレルの放出を求めてきたが、先進国が合意した放出量はその目標に届かなかった。パリに本部を置く国際エネルギー機関(IEA)は先週、3月に約束した原油と石油製品の放出を加速させると発表。これには、2000万バレル超の軽油を可能な限り速やかに放出することが含まれる。

先進国による緊急石油備蓄の放出を調整するIEAのビロル事務局長は20日、必要に応じて加盟国による追加放出を調整する用意があると述べた。

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