Helen Reid Dominique Vidalon
[ロンドン 20日 ロイター] - フランスの小売業大手カルフールは20日、国内で発生した暴動と略奪の被害や夜間外出禁止令による影響を踏まえ、年次業績予想を下方修正した。暴動などの影響でコストが増加した上、店舗営業は混乱し、「前例のない状況」に直面していると説明した。
同社は2026年の調整後1株利益(EPS)について、従来は「1桁台後半の伸び」を見込んでいたが、新たに「横ばいからわずかな増加」となる見通しを示した。また、フリーキャッシュフローは25年と比べて若干減少すると予想した。
政府の治安対策に対する批判が広がる中、カルフールのアレクサンドル・ボンパール最高経営責任者(CEO)は今月24日に予定されている次回の抗議活動では治安が改善されることを期待しているとしつつも、事業への影響は避けられないとの見方を示した。
ボンパール氏はアナリスト向け電話説明会で「カルフールは直接的かつ大きな打撃を受けた。初日だけで約50店舗が被害を受け、多くの店舗が略奪され、損害は甚大だ」と言及。さらに、「多くの従業員や取引先が極めてつらい状況に直面した」とし、安全が確保され次第、影響を受けた店舗の営業再開を支援していると説明した。
今回の騒乱は、高騰する燃料価格によって既に弱まっていた消費者心理をさらに悪化させているほか、26年第4・四半期の重要な年末商戦期が始まる中、カルフール店舗への来店客数を減少させている。
カルフールのマチュー・マリジュ最高財務責任者(CFO)は、営業利益への影響が8000万ユーロ(約9000万ドル)から2億ユーロに達する可能性があると述べた。
マリジュ氏は記者団に対して「直接的なコストは数千万ユーロに上る。盗難や破壊された商品、損壊した店舗や設備に加え、閉鎖を余儀なくされた店舗もある」と指摘。また、「今後数週間にわたって影響は続く。一部の店舗は夜間外出禁止令のため営業時間を短縮せざるを得ない。さらに広い意味で、われわれは顧客にとって大きな不確実性に特徴づけられる新たな状況に直面していると考えている」と述べた。
マリジュ氏によると、全国約6000店舗の多くが騒乱を見越して事前に閉鎖された。18日と19日も閉鎖されたが、具体的な閉鎖店舗数については明らかにしなかった。
同氏はまた、店舗防衛策として外部の警備員を雇用するなどした結果、コストが増加したと説明。カルフールはパリ、リヨン、マルセイユなどの都市部に小型店を広く展開しているため、小売企業の中でも特に大きな影響を受けたと話した。