Takahiko Wada Leika Kihara

[東京 20日 ロイター] - 日銀は29―30日の金融政策決定会合で議論する「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、2027年度の物価見通しを引き上げる可能性が高い。原油市況が再び上昇していることで、来年にかけて価格転嫁がさらに進む展開を織り込む。9月利上げの影響を見極める観点から追加利上げは見送る公算が大きいが、物価上振れ圧力はなお強く、早ければ12月に追加利上げが必要との声もある。複数の関係筋が明らかにした。

前回7月の展望リポートでは、27年度の消費者物価指数(CPI)は、除く生鮮食品(コアCPI)が前年度比2.4%上昇、除く生鮮食品・エネルギー(コアコアCPI)が2.6%上昇だった。7月時点で、ドバイ原油は「1バレル=80ドル程度を出発点に、見通し期間終盤にかけて70ドル程度まで下落していく」と想定していたが、中東情勢は緊迫状態が長期化し、足元では110ドル付近と想定より高い水準で推移している。

もっとも、物価見通しの引き上げは小幅にとどまる可能性が高い。関係筋によると、原油価格の再上昇で価格転嫁が再び進み、それが賃金の上振れを通じてさらなる物価高につながる「二次的波及」のリスクは大きくないとの見方が多い。

政府の物価高対策で26年暦年の物価上昇率は前年より大幅に低くなると見込まれるほか、今年度の最低賃金の引き上げ率が高水準ながら前年度よりは鈍化したことで、来年も賃上げは継続するものの、今年を大幅に上回るような賃上げは想定しづらいとの見方が出ている。26年度の物価見通しや実質国内総生産(GDP)は7月対比大きな変化はないとみられる。

今回の展望リポートでは、飲食料品の消費税率引き下げの影響は予測数値に織り込まない可能性が高い。法案が成立しておらず、影響を織り込むことは難しいとの声が多い。

<基調物価>

関係筋によると、日銀は今回の決定会合で、基調的な物価上昇率が2%程度におおむね到達したとの判断を示す可能性がある。賃金上昇率が2%物価目標と整合的な3%程度で安定する中、日銀では、10月入り後に公表された日銀短観や生活意識アンケート調査で企業や家計の中長期の予想物価上昇率が引き続き緩やかに上昇している姿が示されたとの見方が出ている。

基調物価が2%におおむね到達したとの判断を示した場合も、金融環境は依然として緩和的な状況だとし、基調物価2%への定着に向けて利上げを継続する方針を改めて示すとみられる。

9月利上げの影響を見極めるため、今回会合は政策金利を据え置く公算が大きい。市場動向を見極めた上で最終判断する。もっとも、日銀ではコアCPIについて、2%をはっきり上回る水準で高止まりする期間が長期化することへの警戒感が出ている。物価上振れ圧力が引き続き高い中で、早ければ12月に追加利上げする必要があるとの声もある。

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