Ankur Banerjee Stefanno Sulaiman

[シンガポール/ジャカルタ 19日 ロイター] - インドネシア株式市場は19日、2営業日の下落としては過去最大を記録した。指数算出会社MSCIが16日、2027年に同国を「新興国市場」から除外する可能性を警告したことが売りを誘発。当局はMSCIに説明を求めた。

ジャカルタ総合指数は16日に11.6%急落したのに続き、19日は3.6%安で取引を終えた。2営業日の下落率は1998年のアジア金融危機時を含め過去最大となった。取引時間中には6年ぶりの安値も付けた。

MSCIが16日、インドネシアを「新興国市場」から「スタンドアローン市場」に変更することを検討していると表明したことで売りが始まった。想定以上に厳しい分類変更の可能性に、投資家や当局者に動揺が広がった。

スタンドアローン市場に変更されれば、東南アジア最大の経済規模を持つインドネシアは国際資本へのアクセスを失い、投資先として周縁に追いやられる恐れがある。

不安心理からの売りは通貨や債券市場にも波及した。ルピアは1ドル=1万8030ルピアに下落、6月に付けた過去最安値の1万8190ルピアに迫った。国債も下落し、10年債利回りは16日の7.169%から7.4%に上昇した。

インドネシア証券取引所のジェフリー・ヘンドリック最高経営責任者(CEO)は、説明を求めるためのMSCIとの会合を前に「(MSCIから)このような発表があるとは予想していなかった。予想外の声明で市場はパニックに陥った」と述べた。

<資本市場改革への取り組み継続>

ヘンドリック氏はMSCIとのオンライン会合後、1月にMSCIが最初の警告を発したことを受けて着手した資本市場改革に引き続き取り組むと述べた。会合の詳細は明らかにできないとした。

同氏はまた、市場の透明性と価格発見機能を改善するための2つの施策を発表した。同一の個人や法人に株式保有が高度に集中している銘柄をジャカルタ総合指数から除外する措置が含まれる。「主要指数の動きをより正確に示す」ことが狙いという。

インドネシア証券取引所(IDX)は19日、価格変動の抑制に向け、株価の1日の下落率の上限を15%から7%に縮小した。それを下回る価格での売り注文を自動的に拒否し、一段の下落を防ぐ。

<投資家、インドネシア資産への投資を再評価>

MSCIの動きを受け、投資家がインドネシア資産全般への投資を見直す中、規制当局や財政・金融当局への圧力が強まっている。

かつて新興国市場の有望な投資先だった同国からの資本逃避リスクへの懸念も高まった。投資家によると、新型コロナウイルスのパンデミック以降、プラボウォ大統領の下で財政の健全性や中央銀行の独立性への信頼が薄れる中、同国の魅力は既に低下していた。

事情に詳しい政府当局者2人によると、プラボウォ氏は19日、財政・金融当局者と会合を開き、「現在の経済情勢」について協議した。

S&Pグローバル・レーティングのソブリン担当アナリスト、レイン・リン氏は、MSCIの最新の警告で追加の資本流出が起きる可能性が高いものの、資金調達コストを大幅に押し上げる規模にはならないとの見方を示した。「より懸念されるのは、投資家の信頼が損なわれる可能性と、国債市場や海外直接投資にも投資家心理の悪化が広く波及するリスクだ」と述べた。

ゴールドマン・サックスは、MSCI指数から完全に除外されれば、パッシブ運用資金が56億ドル流出する可能性があると推計。これらの指数をベンチマークとするアクティブ運用ファンドの保有額は80億ドルを超えるものの、売却するかどうかは指数への連動ではなく、運用者の裁量によると記した。

海外投資家は26年に入り、インドネシア株を49億8000万ドル売り越している。年間の資金流出額は少なくとも過去16年で最大となるペースだ。

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