取締役支社長の高橋良太氏によれば、GINGAの導入の背景には、日本国内の靴下製造を取り巻く環境に対する問題意識もあったという。
「原材料費やエネルギー価格の高騰により、ジャカード編みに使用する染色糸を供給する国内事業者の経営環境は厳しさを増しています。さらに(靴下製造の)業界全体で高齢化も進行しており、従来型製法への依存が続けば、将来的な国産靴下の安定供給にも影響を及ぼしかねません」と高橋氏は言う。
もともと靴下は「3足1000円」で安く売られているイメージが強い商品で、単価を上げることは容易ではない。そこで同社では、GINGAを使ってフェルメールやモネなどの名画や、バンクシーなどの現代アートの作品を繊細な色彩や筆致まで含めて表現した靴下を商品展開。単なる日用品ではなく「身にまとうアート」としての価値を提案することで、アートやカルチャーを愛好する層から支持を集め、1足約2000円という従来の靴下よりも高い価格帯でありながら好調な販売実績を維持しているという。
天然繊維にも対応し市場拡大を目指す
もちろん、導入に際しては苦労もあった。GINGAは靴下に模様をプリントした後、高い温度でインクを発色させるが、美しい色に仕上げるための温度の調整がとても難しかったと高橋氏は語る。高温処理による縮みなどの問題もあり、販売可能な品質に達するまで導入から約半年を要したという。「機械を入れればすぐに商品化できるというものではなく、1つ1つの課題を現場で検証しながら改善していきました」と高橋氏は振り返る。
今後はコットンやウールなどの天然繊維に対応する設備の導入も進め、3年後には6台のGINGAを稼働させ、プリントソックスを年間30万足生産することを目指している。一般の靴下売り場での販売やファッションブランドへの展開が進めば、プリントソックスはより多くの消費者にとって身近な選択肢になるかもしれない。
環境配慮型の商品はコストが高くなりやすく、収益化との両立が難しいとされる。それでも、「GINGA」を活用したレンフロ・ジャパンの挑戦は、地球環境への配慮と国内産業の持続可能性を高めていくことが決して両立不可能ではないと物語っている。
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