Andrea Shalal
[バンコク 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は15日、中東での戦争長期化や、エネルギー生産、海上輸送ルート、重要インフラにおけるさらなる混乱が、中東・中央アジア経済にとって最大のリスクだと指摘した。
IMFのジハード・アズール中東・中央アジア局長は、バンコクで開かれているIMF・世界銀行年次総会に合わせた記者会見で、戦争による経済的な打撃には域内で大きなばらつきがあり、直接の影響を受ける国には厳しい圧力がかかっていると述べた。
「見通しは、エネルギー生産と貿易がどれほど早く正常化するか、各国がマクロ経済の安定を維持できるかに大きく左右される」と語った。
米国・イスラエル主導のイラン攻撃と、その後のイランによるホルムズ海峡封鎖が引き起こしたエネルギーショックについて、戦争前の供給余剰や代替輸送ルート、需要の調整、大幅な在庫取り崩しが影響の緩和に寄与したとした。
アズール氏は「こうした緩衝材は時間を稼いだが、それには限りがある。在庫は減少し、余剰生産能力も逼迫しており、再び混乱が生じれば、はるかに大きな価格調整を招く可能性がある」と述べた。
同氏によると、IMFは中東・北アフリカ・パキスタン地域の成長率について、2025年の3.3%から26年はマイナス1.3%へと大幅な落ち込みを予測。27年は6.6%と力強く回復するものの、域内で大きな差が生じると見込んでいる。
戦争の影響を直接受けた石油輸出国では26年に経済が大幅に縮小し、27年はエネルギー生産の正常化に伴って成長率が急回復する見通し。ただ、経済活動の水準は戦争前の中期予測を下回るとみられる。
一方、域内の石油輸入国の経済は底堅く推移しており、今後も底堅さを維持する見通しという。
コーカサス・中央アジア地域は今回のショックを比較的うまく乗り切っており、インフレ率は高水準からの低下が続く見通し。IMFは同地域の成長率が25年の6.2%から26年に5.2%、27年には5.0%に鈍化すると予測している。
アズール氏は、政策当局者は物価安定を優先し、財政余力の回復に注力するとともに、将来のショックに耐える力を高めるべきだと述べた。