Tim Hepher

[トゥールーズ(フランス) 14日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバスは14日、世界の航空業界が今後20年間で計244万人の人材を新たに必要とするとの見通しを示した。内訳は客室乗務員が105万人、パイロットが66万人、整備部門が73万人。

航空業界は新型コロナウイルス禍以降、他業種との人材獲得競争が激化しており、慢性的な人手不足が続く整備分野を含めて大規模な人材確保が課題となることが浮き彫りになった。

またエアバスは、航空機の運航支援や整備などのアフターマーケットサービス市場について、今後20年で現在の約2倍となる4200億ドル規模に拡大し、年平均3.8%成長すると予測した。

エアバスは、民間航空機向けサービス事業の売上高を、2025年の約54億ユーロ(60億5000万ドル)から30年までに100億ドル超へ引き上げる方針。顧客サービス部門トップのクリスティーナ・アギラール・グリーダー氏が明らかにした。

新型コロナ禍前にも25年までに民間航空機関連サービス売上高100億ドルを目指していたが、業界全体が成長計画の見直しを余儀なくされていた。

民間航空機部門のラース・ワグナー最高経営責任者(CEO)は記者団に「これまでは航空機を納入することが中心だったが、今後は航空機の納入とサービス提供を一体で進める」と述べた。

一方、米ボーイング はサービス事業を独立部門として展開しており、現在では同社で最も収益性の高い部門となっている。25年のサービス事業売上高は、防衛関連を含め209億ドルだった。

エアバスの最新予測は、ボーイングが示す航空サービス市場の年平均3.7%成長見通しとほぼ一致しており、業界の関心が航空機受注競争から次世代の省燃費機の維持・運用へ移行しつつあることを示している。

サービス市場の約半分はエンジンを機体から取り外して行う整備に関連する分野が占める見通し。エンジンの修理頻度が想定以上に増えたことで、多数の航空機が運航停止に追い込まれており、整備体制の強化が急務となっている。航空会社は、新造機の納入遅延についても航空機メーカー側への不満を強めている。

エアバスは次世代機でサービス収入の取り分拡大を目指しており、長期的な整備収入を重視するエンジンメーカーとの競争が激しくなる可能性もある。

一方、サービス市場で最も高い成長が見込まれるのはデータ分析や通信接続サービス分野で、機内インターネット接続が航空会社にとって不可欠なサービスとなる中、同市場は45年までに270億ドル規模へ拡大し、年平均5.3%成長すると予測されている。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。