Tamiyuki Kihara Yoshifumi Takemoto

[東京 15日 ロイター] - ロシア当局が北海道新聞の日本人記者をスパイ容疑で拘束した問題で、自民党内から政府の対応強化を求める声が上がっている。15日の党会合で、外務省はロシア側から拘束についての正式な報告がないと説明。高市早苗首相は同日、記者団にロシアでのスパイ活動を否定し、邦人保護に注力する考えを示した。

自民は15日朝、外交部会と外交調査会の合同会議を開いた。出席者によると、複数の議員からロシアに対して記者の解放を強く求めるべきとの声が上がった。閣僚経験のある衆院議員は政府がスパイ容疑について明確に否定していない点を問題視し、「あり得ない対応だ。まずは容疑を否定し、記者の解放を求めるべきだ」と語った。

会議の中で、外務省は現在も記者との領事面会が実現しておらず、いまだにウィーン条約に基づく外国人拘束時の通知義務である「領事通報」が行われていない、と説明したという。前出の衆院議員は「ロシアが対日圧力のために拘束した可能性がある。政府は強い態度で臨まなければならない」と述べた。

同じく会議に出席した別の閣僚経験者は、日本の国益も考えながらバランスよく外交を展開する必要があるとしつつ、「もはやきれいごとの時代ではない」と語気を強めた。

高市氏は同日、首相官邸で記者団の取材に応じた。その中で「外務省がいま、一生懸命動いて、ロシア当局に対して申し入れもし、面会も含めて求めている」と説明。記者から、日本政府はロシアでスパイ活動をしているのかと問われると「そのような事実はございません」と否定し、「それぞれ国内法も違う。(ロシアが)容疑と言っていることの詳細もまだ分からないが、日本の立場をしっかりと伝えていく」と語った。

これに先立ち、木原稔官房長官は同日午前の記者会見で、14日に駐日ロシア大使を外務省に呼び、情報提供や人道的な配慮を求めたとした。その上で、「日本政府として何らの説明を受けていない中で、ロシア側が邦人を拘束し、それについての発信を一方的に行っていることに強く抗議をした」とも明らかにした。

記者の健康状態などの確認はできておらず、木原氏は引き続きロシア側に申し入れなど必要な対応をとる、とも述べた。

ロシア連邦保安局(FSB)は13日、記者をスパイ容疑で拘束したと発表した。ロシア外務省は、日本政府が記者をスパイ活動に利用しているのは遺憾だと表明。FSBがウェブサイトに掲載した声明によると、記者はロシア出国を予定していた日の前日に極東サハリン州で拘束された。具体的な拘束日は明らかにしていないが、今回の拘束が日ロ関係に新たな影を落とす、としている。

(鬼原民幸、竹本能文 編集:橋本浩)

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