健康状態を“見える化”
自身の健康状態を“見える化”し、社員が食生活や生活習慣を見直す機会を継続的に設けている

毎年の健康診断も「受けて終わり」にならないよう、同社では専門家から検査数値について説明を受ける機会を設けている。また、野菜摂取量を測定してそれぞれの社員の食生活を「見える化」したり、生活習慣改善に向けた啓発活動なども行ったりしている。いずれも自分自身の問題として体の状態に向き合うことで、社員の健康維持につなげようという取り組みだ。

「社員は何に困っているのか」に向き合って

ちなみにこうした施策は会社が一方的に考えて実施しているわけではない。

取り組みを下から支える仕組みとなっているのが、毎年行っている従業員アンケートだ。アンケートで職場環境や働きやすさについて幅広く社員の声を集め、会社にとって耳の痛い意見も含めて課題を把握し、必要な改善策を検討し実施する。そして翌年のアンケートで社員の反応を聞き、成果が出ているかを確認する——というプロセスを継続的に回しているという。

鹿児島工場
ものづくりを支える社員が安全・快適に働き続けられるよう、鹿児島工場では空調設備の更新をはじめ、職場環境の改善を継続している

このように従業員を大切にする経営・職場環境は第三者からも評価されており、健康経営優良法人2024の中小規模法人部門に認定されたほか、一般財団法人日本次世代企業普及機構が評価・表彰するホワイト企業認定でも最高位の「プラチナ」を獲得している。

「ものづくり白書」によれば、人材の定着に向けた取り組みとして賃金水準の向上を挙げた企業の割合は7割を超え、最も多かった。確かに働きや技術に見合った十分な賃金が支払われることは非常に大切だ。だが長い目で見るなら、「社員の小さな困りごとに耳を傾け、1つずつ会社の仕組みに変えていくことを大切にし、働き続けやすい職場づくりにつなげる」(雪山氏)というアルナの姿勢は、製造業が長年培った技術を次世代へ継承し、事業継続につなげるための確実な道筋と言えるのではないだろうか。

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