そのため、愛知県も中小企業が外国人を採用できるよう、さまざまな支援メニューを取りそろえている。

 例えば、2025年4月に開設したあいち外国人材受入サポートセンター。これは、外国人を採用したい県内企業とそうした企業に就職したい外国人の双方のための相談窓口だ。企業向けとしては、求人・選考採用や雇用・労務管理、外国人材の在留資格、育成や定着についてなど、外国人の受け入れに慣れていない企業の相談に乗る相談業務がある。また、採用準備から雇用準備、定着支援など、企業の受け入れ段階に応じた4テーマの企業向けセミナーも開催している。2025年に開催されたセミナーは6回。毎回100人ほどの企業関係者が参加したという。(210〜211ページより)

外国人向けには、日本式の就職活動や労務知識、キャリア形成など、日本で働くうえで疑問や不安を感じやすい点について相談に応じている。

日本語研修も「初級」「準中級」「中級」の3コースを用意。自己紹介やメールでのやりとり、同僚への声かけ、指示を受けたときの返答に加え、日本企業で重視される「報連相(報告・連絡・相談)」も教えている。

こうした支援は、日本で働きたいと考える外国人にとって、心強いものになるだろう。

著者も指摘しているように、現状においては外国人労働力の受け入れには賛否を含め、さまざまな議論が存在する。もちろん、「どのように受け入れるか」「どのようなペースで受け入れるか」などについては議論を重ねる必要があるだろう。

一方で、外国人労働者なしでは事業を維持できない現場が増えているのも現実だ。少子高齢化が進むなか、外国人材の重要性は今後さらに高まると考えられる。こうした変化を悲観的に捉えるのではなく、日本の企業や社会が新たな可能性を切り開く機会として考えたい。

『愛知県は天下を取るがね』

 『愛知県は天下を取るがね』

  篠原 匡・著
  新潮新書

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