[ジャカルタ 13日 ロイター] - インドネシア政府は13日、全国で拡大する森林・泥炭地火災への対応強化に向け、プラボウォ大統領が追加資源の投入を指示したと明らかにした。火災に伴う煙害を巡り、国内外で政府対応への批判が強まっていることが背景にある。
政府広報機関の声明によると、プラボウォ氏は関係当局との会議で、消火活動を強化するため必要なあらゆる資源を提供する用意があると表明。「これは最優先課題だ。直ちに解決しなければならない」と述べた。
インドネシアは、エルニーニョ現象の影響で過去11年における最も深刻な森林火災シーズンとなっており、煙害により国内では呼吸器疾患が急増。シンガポールやマレーシアでも大気汚染が悪化し、マレーシアの複数州ではここ数週間にわたり学校が閉鎖されている。
欧州連合(EU)の気候監視機関コペルニクスが運営する「ファイア・エミッションズ・ウオッチ」によると、インドネシアの火災による炭素排出量はこの1カ月間に世界最大を記録し、過去7日間の世界全体の排出量のほぼ半分を占めた。
マレーシア政府は既に消火活動支援を申し出ており、煙害の影響を受けるシンガポールも支援の意向を示している。
ただドゥドゥン調整相(政治・治安担当)は記者団に、外国からの支援受け入れや国家災害宣言の発令については現時点で協議していないと説明。「われわれは依然として対応可能だ」と述べた。
東南アジア諸国の外相は来月開催予定の会合で越境煙害問題を協議する見通しで、インドネシアには火災対策強化を求める国際的な圧力が高まっている。
こうした中でインドネシア政府広報庁のシャフガンダ・ナインゴラン長官は「われわれが送り出しているのは煙だけではない。シンガポールやマレーシアの酸素はインドネシアの森林から生まれている」と述べた。
これに対し、マレーシアのアンワル首相率いる与党連合の幹部は「インドネシアは責任を問われるべきだ」と批判した。また同幹部は「インドネシア政府関係者は、人的要因による煙害で影響を受けているASEAN各国や自国民に対して無関心で無反省な態度を取るべきではない。PM2.5を含む有害な煙で近隣諸国の大気を汚染することは容認できない」と発言した。
インドネシア保健省によると、火災に関連する呼吸器疾患の症例数は12日時点で7州合計27万7075件となり、9月9日時点の11万3336件から倍増以上となった。
火災による被害面積に関する政府統計は、20万2000ヘクタールが焼失したとする7月以降更新されていない。担当省庁は最新データの確認に時間を要しているとしている。
一方、環境団体オーリガは、今年1月から8月までの焼失面積が63万7000ヘクタール超に達し、シンガポールの約9倍の面積に相当すると推計している。森林破壊監視団体ヌサンタラ・アトラスは、被害面積が約90万ヘクタールに上るとの見方を示した。