[ソウル/東京 12日 ロイター] - 韓国軍は12日、北朝鮮が東岸沖へ複数の弾道ミサイルを発射したと発表した。北朝鮮によるミサイル発射はこの1カ月で4回目。一方、韓国は先週、極超音速ミサイルの発射実験を実施していた。
韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は午前9時20分ごろ、平壌付近から複数のミサイルを発射した。異なる種類のミサイルとみられ、このうち1種類は900キロ以上飛行した。
日本の防衛省は午前9時24分ころと同40分ころ、2回発射情報を発表した。NHKは日本の政府関係者の話として、2回とも日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したもようと報じた。日本の首相官邸によると、現時点で被害は確認されていない。
韓国大統領府の国家安保室は緊急会議を開き、発射は国連安全保障理事会決議に違反すると非難。直ちに中止するよう北朝鮮に求めた。
韓国と北朝鮮双方が兵器の発射実験を行う中、朝鮮半島ではここ数週間、緊張が高まっている。韓国の李在明大統領は先週、国産の極超音速ミサイルの初の発射実験を視察した。韓国大統領がミサイル実験を公に視察するのは異例。
韓国軍合同参謀本部の報道官は、今回の北朝鮮による発射について「わが国の極超音速ミサイルの発射実験成功に対抗した武力誇示であると同時に、ミサイル能力を意図的に誇示する狙いがあるとみられる」との見方を示した。
北朝鮮は今月3日にも弾道ミサイルを発射。国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩朝鮮労働党総書記の指導の下で実施された極超音速ミサイルの発射実験だったと報じた。
先月には南北軍事境界線付近で地雷が爆発し、韓国兵3人が負傷した。韓国側は北朝鮮が地雷を埋設したとして謝罪を要求したが、北朝鮮は否定し、韓国側による挑発だと反発している。
北朝鮮は今年、10回を超えるミサイル発射実験を実施している。韓国国防省の元職員で大田大学の宋成宗教授は、異例の頻度で発射実験を繰り返しているのは、金総書記とトランプ米大統領による首脳会談の可能性を見据え、交渉力を高める狙いがあると指摘。「トランプ氏と会談する前に、自らの立場の価値を高める必要があるのは間違いない」と述べた。