[メキシコ市 8日 ロイター] - メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)が8日発表した9月の自動車輸出台数は前年同月比12%減少し、2025年12月以来最大の落ち込みを記録した。アナリストらは最大市場の米国による関税政策の影響が原因と分析している。
月間生産台数は15%減少した。一方で国内販売台数は8%増加し、同国最大の産業部門である自動車製造業への打撃を和らげる一助となった。
政府当局者は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しを進めており、協議が継続中にもかかわらず、メキシコ製自動車には依然として25%の関税が課されている。メキシコ当局は、北米産部品の使用を規定した規則を順守すれば、その負担は10─12%に軽減されると試算している。
30年以上にわたる一連の自由貿易協定を通じて、両国の経済は密接に結びついてきたが、米トランプ政権下での突然の政策転換や関税措置により、長年築き上げられてきたサプライチェーン(供給網)に対する企業経営者の信頼は揺らいでいる。
証券会社モネックスの経済分析ディレクター、ジャネット・キロス氏は「9月のデータは危機の兆候というより警告のサインだ。この傾向が2027年まで続けば、メキシコの製造業にとってより構造的な問題について協議することになるかもしれない」と指摘した。
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は昨年、激動する関税政策に対応するため、メキシコから米国へ一部生産を移管する40億ドルの投資計画を発表した。GMのほか、米フォード・モーターや日産も9月に輸出が大幅に減少した。一方で、韓国の起亜、独BMW、マツダなどは輸出を増やし、その穴を埋めた。特にマツダは輸出を前年比で2倍超に伸ばした。メルセデス・ベンツは昨年5月に日産との合弁工場を閉鎖しており、9月は海外向け出荷を開始した8年前以来初めて、生産・輸出ともにゼロとなった。
メキシコ自動車工業会(AMIA)は8日の記者会見で、メキシコは依然として米国にとって海外で最大の自動車供給国だと強調した。AMIAのデータによると、2026年1─9月の米国向け輸出は5%減少した一方、メキシコにとって2番目に大きな市場であるカナダ向け輸出は9%強増加した。