[ストックホルム 6日 ロイター] - スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2026年のノーベル物理学賞を、ベルギー系米国人の素粒子物理学者フランシス・ハルツェン氏(米ウィスコンシン大学マディソン校教授)に授与すると発表した。授賞理由は「アイスキューブ・ニュートリノ観測所への決定的な貢献と、天体起源の高エネルギーニュートリノの発見」。
ニュートリノは地球や人体を跡形もなく通り抜け、物質とはごくまれにしか反応しないため、「幽霊粒子」と呼ばれることもある。ハルツェン氏は、南極点の氷を使えばニュートリノを追跡できることに気付いた。南極に設置した観測施設「アイスキューブ」での国際研究プロジェクトを主導した。
スウェーデン王立科学アカデミーによると、アイスキューブが捉えたニュートリノの反応から、高エネルギーニュートリノがどのように生まれるかが分かる。これまで知られていなかった宇宙現象が明らかになる可能性もあるという。
王立科学アカデミーのエバ・オルソン氏は記者会見で「(ニュートリノという)メッセンジャーは宇宙から情報を運んでくる」と述べ、「遠くの銀河への扉を開き、星が爆発する過程を教えてくれる」と語った。
ノーベル物理学委員会のマーク・ピアース委員長は声明で「ハルツェン氏は国際的な研究者・技術者チームを率い、素晴らしい観測装置をもたらしてくれた」とし、「その粘り強さと科学的な先見性が、新しい種類の天文学への道を開いた」とも語った。
米スミソニアン誌は2014年にハルツェン氏に「独創性賞」を贈った。その際、同氏を「ニュートリノマン」と呼び、「天文学の新時代の幕開けを告げる驚くべき実験」と称え、ハルツェン氏の半生を描いた漫画「一人の物理学者の宇宙探求はいかにして南極で飛躍したか(How OnePhysicist’s Pursuit of the Cosmos Took Off in Antarctica)」を掲載した。