※世界や社会が大きく変わるなか、第一線の人物たちは何を考え、次に何を見ているのか。連載「PREMIUMインタビュー」では、国内外の政治家、経営者、研究者、文化人などへのインタビューを通じて、その言葉の奥にある時代の変化と、新たな潮流を読み解きます。

トルコ(テュルキエ)のレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と対話する、NATO加盟国の指導者だ。アメリカのドナルド・トランプ大統領と緊密な関係を築く一方で、トランプ氏が戦争に踏み切った相手であるイラン政府とも対話の窓口を維持している。そして今、トルコは、中東の新たな防衛協定に署名。サウジアラビアやパキスタンが攻撃を受けた場合には支援に乗り出す可能性もある。

ニューズウィークとの独占書面インタビューでエルドアン氏は、新たな権力の中心を軸に再編されつつあると自身が考える世界において、トルコがどのような位置を占めるべきかという野心的なビジョンをつづった。本稿では、会員向けにそのインタビュー全文を掲載する。

「世界の重心は移りつつある」とエルドアン氏。その変化に対する彼の答えは、どちらか一方の陣営を選ぶことではない。NATOにとどまり、中国との関係を深め、プーチンと対話し、イランとも連絡を取り続けることだ。

批判する向きには、相反する相手に同時に忠誠を示しているようにも映りかねないが、エルドアン氏はその根底にある原則を明確にしている。

「『西側か東側か』という選択をテュルキエに迫ることが正しいとは、われわれは考えていない」とエルドアン氏は語った。

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以下のインタビューは、分かりやすさのため一部を軽微に編集している(本稿は、ニューズウィーク英語版に9月25日に掲載された記事を翻訳・編集したもの)。

──国際情勢が不安定な時期に国連を訪問されます。欧州と中東でそれぞれ紛争が続く中、テュルキエ​はその間に位置する独特な立場にあります。今年の国連総会で最も重視する目標は何でしょうか。

世界は今、根本的な変化のただ中にあります。北ではロシア・ウクライナ戦争が続いています。南や東で起きている紛争も、われわれの地域の安全保障、経済、安定に直接影響を及ぼしています。こうした時こそ、外交の余地を狭めるのではなく広げることが、国際社会全体の責任です。

国連総会におけるテュルキエの優先課題は、紛争がほかの地域に拡大するのを防ぎ、外交チャンネルを維持し、当事者を再び交渉のテーブルにつかせることに貢献することです。ロシア・ウクライナ戦争から緊迫する中東情勢に至るまで、テュルキエは紛争の全当事者と対話を維持し、和平に向けて主導権を発揮できる国です。

世界の重心は移りつつあります。新たな権力の中心が台頭するなか、より多くの国々が世界的な意思決定プロセスにおいて、自らが正当に占めるべき地位を求めています。国連はこの変化に取り残されてはなりません。

安全保障理事会は、より代表性が高く、より実効的で、より説明責任を果たす組織にならなければならないと考えています。国連総会の意思が意思決定プロセスにより強く反映され、責任がより公平に分担される国際システムを構築するためにも、改革をこれ以上先送りすることはできません。

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