Lucia Mutikani

[ワシントン 2日 ロイター] - 米労働省労働統計局が2日発表した9月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は2万9000人増で、前月から伸びが鈍化し市場予想を下回った。過去2カ月分も大幅に下方改定された。米連邦準備理事会(FRB)が今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切る可能性はほぼなくなったとみられる。

失業率は4.2%で、前月の4.1%から上昇した。労働市場に参入する人が増えたことが背景。ただ、非農業部門雇用者数の伸びの急減速は、労働市場の急激な悪化を示すものではないとみられる。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は9万人増、予想レンジは3万5000─18万人増だった。

8月の非農業部門雇用者数は16万2000人増から13万3000人増に、7月は2万1000人増から1万人減に下方改定された。雇用者数が減少したのは26年に入って2回目。7、8月の雇用者数は合計で従来推計を6万人下回った。

エコノミストは、今回の統計が労働市場の「採用も解雇も少ない」状態を改めて示したと指摘。インフレが最大の焦点となる中、目先の金融政策には影響しない可能性が高いとの見方を示した。

フィッチ・レーティングスの米経済責任者、オル・ソノラ氏は「失望を誘う雇用統計であり、採用も解雇も少ない労働市場が続いていたことを再認識させる内容だ」と指摘。「雇用の伸び悩み、失業率の小幅上昇、抑制された賃金の伸び、過去の雇用者数の下方改定を踏まえると、FRBが10月の利上げを選択肢に残す理由はほとんどない。ただ、引き続き最も重要な統計は消費者物価指数(CPI)だ」と述べた。

9月の低調な伸びと8月分の下方改定は、政府が季節的な変動を取り除くために用いる季節調整モデルに関連する変動が原因とみられる。エコノミストは、今年のようにレーバーデーの祝日が例年より遅めのときは、雇用の伸びが低調になる傾向があると指摘した。人員削減が広範に増加している兆候はない。企業利益の堅調な伸びと底堅い国内需要を背景に、新規失業保険申請件数は57年ぶりの低水準で推移している。

ただエコノミストは、エネルギー価格の高騰や供給網の逼迫など、米国とイスラエルによる対イラン戦争に伴う逆風が強まり、26年末から27年にかけて労働市場に支障が生じ始めると予想した。

<医療部門の雇用、小幅増にとどまる>

医療部門は引き続き雇用増の大半を占め、1万7000人増加した。ただ、過去12カ月の月平均増加数3万3000人を大きく下回った。外来医療サービスと病院で雇用が増加した一方、看護・居住型介護施設では9000人減少した。ハイチ出身の移民数十万人を対象とする一時保護資格(TPS)の終了が関係している可能性がある。

建設業は1万1000人増、製造業は9000人増だった。金融業は7000人減少した。9月の雇用の伸びはほぼ止まったものの、週平均労働時間は34.4時間で変わらなかった。

失業率の上昇は、労働力人口が48万5000人増加したことを反映した。これに伴い、労働参加率は8月の61.6%から9月は61.8%に上昇した。家計調査に基づく就業者数は40万6000人増加した。

CMEグループのフェドウオッチによると、金融市場が織り込む10月27─28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は約13%と、統計発表前の22%から一段と低下した。1週間前は約69%だった。

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