研究チームは、中年期前半に測定した5つの健康要因(低リスク因子)に着目した。具体的には、①喫煙していない、②BMI(体格指数)が25未満、③収縮期血圧が140mmHg未満、④総コレステロール値が6.0mmol/L(約232mg/dL)未満、⑤ブドウ糖負荷試験後の血糖値が正常範囲にある――の5つだ。こうした良好な指標が多いほど、長生きする割合は段階的に高くなっていた。
研究開始時に5つの低リスク因子を1つも満たしていなかった男性では、90歳まで生きた人はわずか6.8%だった。一方、5つすべてを満たしていた男性では41.9%が90歳以上まで生きていた。
だが、研究チームが調べたのは寿命だけではない。健康的な生活は単に寿命を延ばすだけなのか、それとも長生きした年月をより健康に過ごすことにもつながるのかという点についても検証した。
参加者を平均79歳の時点で評価したところ、中年期に好ましい健康状態を保っていた人ほど、高齢期にフレイル(加齢に伴う心身機能の衰え)になる割合が大幅に低く、さまざまな指標で生活の質(QOL)が高いと報告した。心理的な充足度も高く、より大きな幸福感を抱いている傾向がみられた。
5つの条件をすべて満たしていた男性のうち、高齢期にフレイルと判定された人はわずか2.2%だった。これに対し、1つも満たしていなかった男性では24.5%に達した。
また、中年期の健康状態が最も良好だったグループは、幸福度のスコアが高く、健康に関連する生活の質についても複数の領域で優れた結果を示した。
5つのうち何を優先すべきかについて、ストランドベリは人によって異なると説明する。
「喫煙しているなら、まず禁煙するのが最善だ。血圧とコレステロールのどちらを優先するかは一概には言えず、どちらが高く、より大きなリスクになっているのかを個別に判断する必要がある」