<イングランドでは歩行者が好きなところで横断し、車は直ちに止まるが、日本では車がむしろ歩行者を威圧する>
道路を渡るという行為(あるいは技術)は、国によってさまざまだ。僕はかなりいろいろな国を旅してきたので、気付いたことがいくつかある。
大ざっぱに言えば、イングランドは道路を渡るのにはベストな国だと思う。オランダは最も困難な国。ドイツは最もイライラさせられる国だ。
僕はイングランド人だし、車を運転せず、もっぱら歩行者なので、偏った見方をしているかもしれないが、それでも道路を渡ることに関しては、僕たちイングランド人は本当に恵まれている。横断歩道があれば、歩行者が来ると車はただちに止まってくれる(日本人のマナーよりイングランド人のマナーが上回る数少ない例だ)。
イングランドでは、好きな場所で道路を渡ることは合法なだけでなく(高速道路は除く)、そんな歩行者にドライバーも協力する。車が高速で流れている道路でもない限り、道端に立っていれば1分もしないうちに最初の車が止まってくれて、「どうぞ」とライトを点滅させる。
これで後続車も止まり、歩行者が道路を渡り始めれば、反対方向から来る車も、横断中の人がいる以上、基本的には「義務として」止まらざるを得ない。
イングランドの道路横断文化を観察するのに実に面白い場所は、ロンドンのバスの2階の最前列の座席だ。オックスフォード・ストリートがお薦めで、あそこほど「ギリギリの横断」が見られる場所はない。