David Latona Mireia Merino

[マドリード 29日 ロイター] - スペインの連立政権は、深刻化する住宅危機対策の一環として、主に生活困窮者を住居から強制退去させるのを2030年まで禁止することや家賃上昇抑制、賃貸契約の自動更新、公的住宅の供給拡大などを定めた新たな施策で合意した。先週、87歳の女性が自宅から強制退去させられたことをきっかけに抗議活動が広がっており、女性は自宅に戻るための提案を受け入れた。

首都マドリードの主要広場では29日、数百人が野営を続け、マリカルメン・アバスカルさん(87)が23日に担架に乗せられて自宅から強制退去させられたことに抗議した。参加者らは家賃の凍結や、大幅な家賃引き上げを伴わない賃貸契約の自動更新などを求めている。

こうした中でガルシア保健相は29日、与党社会労働党が連立政権の少数与党スマールと一連の住宅対策で合意したと明らかにした。28年末までに切れる賃貸契約をさらに2年延長できるようにするほか、いわゆる「ハゲタカファンド」と呼ばれる投機的な投資主体を住宅市場から排除することなどを盛り込む。今回の対策は2本の政令に分け、10月2日に議会で採決する見通し。家賃抑制などの主要な措置は第一の政令に盛り込まれるが、最大の懸案となっている賃貸契約の自動更新は第二の政令に含まれる。

ロドリゲス住宅相は会見で、政府はハゲタカファンドの定義について、大手プライベートエクイティ(PE)ファンドだけでなく、投機目的で住宅を購入するあらゆるファンドや企業に広げる方針だと説明し、アバスカルさんを立ち退かせた小規模企業ウルバヘスティオンも、対象となり得る企業の例に挙げた。ガルシア氏はXへの投稿で「投機的な住宅市場に介入し、一般市民とハゲタカファンドの間で均衡を取り戻し始める時だ」と訴えた。

ただ政権は議会で過半数を確保しておらず、分裂した議会で対策への支持を取り付けられるかは不透明だ。政令成立の鍵を握るカタルーニャ州の独立派政党ジュンツは29日、全ての措置について合意するには依然として隔たりがあるとの立場を示した。スペインの不動産所有者の大多数を占める小規模家主を保護する必要があると主張している。

マドリードの借家人組合は、政府が対策を2本の政令に分割したことを批判。要求が全面的に受け入れられるまで、マドリードをはじめスペイン各地で野営を続けるとしており、追加のデモも計画している。

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