Timothy Gardner
[ワシントン 29日 ロイター] - 米政府は29日、戦略石油備蓄(SPR)から最大4000万バレルをエネルギー企業に貸し出す方針を明らかにした。イラン戦争を受けた国際的な備蓄協調放出の合意に基づく米国の最終放出分となる。
米国は今年3月、国際エネルギー機関(IEA)加盟国による計4億バレルの協調放出の一環として、SPRから1億7200万バレルを貸し出すことで合意した。
この合意に基づく最後の4000万バレルの貸与を6月に提示したが、その後、企業側が借り入れに応じたのは約50万バレルにとどまったと明らかにしていた。
ライト米エネルギー長官は、米国と日本が合意に基づく約束を果たしたとする一方で、「欧州の一部加盟国は約束した原油と石油製品のごく一部しか放出していない」と述べた。
米国のSPRは2億8400万バレルを下回り、1982年以来の低水準に落ち込んでいる。
今回の放出により、SPRの水準は取り崩しに制限がかかる基準を一時的に下回る可能性がある。
米国の法律では、SPRが2億5240万バレルを下回った場合、大統領は通常の小規模な放出を命じることができない。ただし、大規模な緊急事態については依然として放出を命じることが可能だ。
米政府はSPRから企業に原油を貸し出し、企業は借り入れた量に最大24%を上乗せして返還する。エネルギー省は、この仕組みによって米納税者の負担なしに市場の安定化を図れるとしている。ただ、原油の返還が完了するのは2028年末近くになる予定だ。
同省によると、企業による借り入れ提案の提出期限は10月6日。