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[リバプール(英イングランド) 29日 ロイター] - バーナム英首相は29日、イングランド北西部リバプールで開かれた与党労働党の年次大会で演説し、社会福祉や住宅、水道といったインフラ問題など英国が抱える構造的な問題に取り組み、「国を新たな道」に導くと約束した。ただ厳しい財政事情を踏まえ、改革の成果が表れるには時間がかかるとして国民に理解を求めた。

今月死去した父親が望んでいた英国の姿に思いをはせながら、公共サービスへの公的関与の拡大や、公的年金の支給額を毎年引き上げる仕組み「トリプルロック」の改革、社会住宅の増設など長期的な政策構想を打ち出した。

バーナム氏は、政府の財政余力が限られていることや前政権による税制上の公約などから、当面は改革に向けた足場固めが中心になると説明。本格的な成果の一部は、2029年半ばまでに実施される次期総選挙後や、今後10年間に実現するとの見通しを示した。英国では政府の借り入れコストが高水準にあり、政権は金融市場への配慮も迫られている。

それでもバーナム氏は「分断の10年に線を引き」、英国を「希望のある新たな道」に進めると訴えた。

労働党のピーター・プリンズリー下院議員はロイターに「皆を大いに元気付ける演説だった。アイデアと希望にあふれ、何より率直だった」と評価した。

バーナム氏は演説で、社会住宅の拡充や若者の雇用促進、社会福祉制度の改革、水道会社の公的管理などを政策課題に挙げた。現在約100万人に上る失業中の若者に就労を促すほか、学術教育と職業・技術教育の双方を重視する教育制度を整備する考えだ。

住宅政策では公共住宅の建設を優先し、地方自治体が使用されていない民間住宅を取得できるよう権限を強化する方針を掲げた。水道事業に関しては、公的所有を禁じる規定を撤廃する意向。民間水道会社による河川や海への下水放出が問題となる中、企業の失策の後始末を国民が負担すべきではないと強調した。実現には法改正が必要で、一定の時間を要するとも付け加えた。

一方バーナム氏は財政規律を堅持する姿勢を鮮明にしつつ、7月の政権発足後、バス運賃の上限設定や電気料金にかかる付加価値税の撤廃を進め、家計に当面の「息継ぎの余地」を提供したと明らかにした。

バーナム氏は「大きな変化を待つ間、料金や運賃を引き下げようとするわれわれの強い意思の表れと受け止めてほしい。できるだけ早く進めたいが、国に何ができるのかについて正直でなければならない。借り入れと債務を減らすため財政ルールを守る」と語った。

特に力を込めたのが社会福祉制度の改革だ。自身の父親や祖母が介護を受けた経験に言及し、祖母が介護施設で「婚約指輪を指から奪われ、盗まれた」と振り返った。

その上で全国的な「ナショナル・ケア・サービス」を創設する方針を表明。財源として、公的年金を毎年、物価上昇率、賃金上昇率、2・5%のうち最も高い率に合わせて引き上げるトリプルロックの見直しを検討するとしている。

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