Aditya Kalra
[ニューデリー 28日 ロイター] - オーストリアの飲料大手レッドブルが、インドの食品規制当局が事前の警告通知を出さずに「エナジードリンク」という表記の使用を禁じたとして、デリー高等裁判所に異議を申し立てたことが分かった。25日付で、今回の措置に対する法的な異議申し立ては初めて。
裁判所への提出書類によると、レッドブル側は今回の措置がインドでの投資に影響を及ぼしていると主張している。
インド当局は6月、高カフェイン飲料を「エナジードリンク」として販売するメーカーに対し、この表記の使用を停止するよう命じるとともに、規制介入を先送りするよう求める業界側の働きかけも退けた。インドのエナジードリンク市場は2028年までに16億ドル規模に達すると予想されている。
この措置を巡ってはペプシ、レッドブル、モンスター・ビバレッジ、インドの富豪ムケシュ・アンバニ氏率いるリライアンスなどが反発している。即効性のあるエネルギー補給をうたって築いてきたブランドだけに、カテゴリーを示す表記を外せばブランド価値が損なわれかねないというのが各社の懸念だ。
レッドブルのインド法人は、製品そのものの基準を変更しないまま表記を「突然禁止」したことで「規制上の大きな不確実性が生じ、既存および今後予定している商業投資に悪影響を及ぼす」と訴えた。また、この命令は「国際貿易を円滑にし、投資を促進し、企業の予見可能性を高める」というインド政府の掲げる政策に反するとし、「その結果、原告の事業全体が停止する事態となる」と反発した。
インド政府関係者の1人は、インド食品安全基準局(FSSAI)が裁判でレッドブル側の主張に反論する方針だと明らかにした。同関係者の話では、FSSAIは以前から商品ラベルに「エナジードリンク」と表示することを認めていなかったとしている。
エナジードリンクには高濃度のカフェインや糖分、アミノ酸の一種であるタウリンなどが含まれることから、一部の規制当局が健康への影響を懸念。イングランドでは来年4月から、16歳未満へのエナジードリンクの販売が禁止される予定だ。
市場調査会社ユーロモニターによると、インドのエナジードリンクの小売販売は年率112.6%で拡大しており、米国や中国を上回るペースで成長している。市場は、ペプシが17年に「スティング」を発売して以降、急速に拡大。20ルピー(0.21ドル)のペットボトル商品が15-19歳の若者を中心に人気を集めたという。
レッドブルのインドでの売上高は24年に1億3000万ドルに達し、4年前の2倍超となった。