Mohi Narayan

[ニューデリー 28日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)とクウェートがここ数カ月、ホルムズ海峡の外で船舶間(STS)積み替えを活用し、アジア向けナフサ輸出を増やしている。こうした供給改善を受け、アジアの石油化学メーカーも生産を引き上げている。複数のトレーダーやアナリストが明らかにした。

イランでの戦争開始前にペルシャ湾岸地域からのナフサ輸出の約半分を占めていたアブダビ国営石油会社(ADNOC)とクウェート石油公社(KPC)は、8月と9月に合わせて約160万トン(約1400万バレル)を出荷したことが、取引関係者の海運データから分かる。

戦争で貿易の流れが混乱した3月と4月の約70万トンから2倍以上に増えた。ただケプラーのデータによると、両社の2025年8月と9月の輸出量は合計約500万トンで、大半がアジア向けだった。

コンサルティング会社FGEネクサントECAの天然ガス液・アジア石油部門ディレクター、アルマーン・アシュラフ氏は、イラクやUAEのルワイス、ハムリヤなどから海上輸送され、フジャイラに集めた上で再輸出されるナフサの直接積み込みが大幅に増加していると指摘した。他のUAE港湾から小口で陸送されてフジャイラから輸出されるナフサも増えているという。

さらに取引データに基づくと、ADNOCマリタイム・インターナショナル・チャータリングは8月と9月にナフサ約150万トンを25隻に積載し、ホルムズ海峡外に位置するオマーンのソハール沖でSTS積み替えを実施した。一方KPCの8-9月出荷は3カーゴ、計約18万トンにとどまった。もっとも両社の実際の輸出量はこれを上回っている可能性がある。攻撃を受けるリスクを減らすため、航行中に船舶のトランスポンダーを停止するケースが多いためだ。

ADNOCの広報担当者は輸出量には触れず、「信頼できる長期的なエネルギーパートナーとして、アジアの顧客を引き続き支援していく。ナフサの供給を続け、顧客の需要に緊密に対応しながら、安全で安定した供給を確保する」と述べた。KPCはコメント要請に回答しなかった。

シンガポールを拠点とするナフサトレーダーは、KPCとカタールエナジーの供給回復が遅れているため、ADNOCにはなお輸出を増やす余地があるとの見方を示した。カタールエナジーは製品タンカーが不足しており、KPCが出荷拡大に乗り出したのは9月に入ってからだったという。

KPCは3カ月間停止していた日本向けナフサのスポット販売を6月下旬に再開し、着船渡し(DES)条件で販売している。買い手の話では、9月上旬着の最近のカーゴは日本の指標価格に対し、1トン当たり最大45ドルのプレミアムで成約した。

KPC幹部は今月に入り、原油と石油製品についてホルムズ海峡外でのSTS積み替えを選択肢として提示していると説明していた。取引データに照らすと、こうした積み替えは通常、インド西岸のバディナール沖で行われている。

FGEのアシュラフ氏は「インド西岸沖でSTSの活動が増えている。ソハール経由の流れは安定している」と述べた。

フジャイラの業界関係者によると、オマーン湾でSTS取引が急増したことで必要な機材が不足し、一部の売り手は代替となる積み替え場所を探している。

湾岸地域からの供給改善に伴って、韓国と日本のナフサクラッカー(分解施設)の多くは8、9月の稼働率を70%以上に維持した。複数の業界関係者は、戦争による混乱が深刻だった3、4月は約68%だったと述べた。

タイのSCGケミカルズは17日、約6カ月にわたり不可抗力条項の対象となっていたラヨーンのナフサクラッカーを再稼働した。同社はUAE産を含むナフサをスポット市場から調達している。

戦争後にホルムズ海峡を経由するナフサ供給が混乱したことで、アジアの石油化学産業は一時、操業停止に近い状況に追い込まれた。各プラントは生産削減を余儀なくされ、買い手は不足する代替カーゴを大幅に上昇した価格で確保していた。

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