[フランクフルト 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は28日、今年のインフレはユーロ圏全体に危険な二次的効果をまだ生み出していないため、ECBとして緩やかな政策対応が引き続き適切だとの認識を示した。欧州議会の委員会公聴会で述べた。
ユーロ圏のインフレ率はすでに3%を超えており、年末までにECBの目標の倍となる4%に近づく可能性がある。市場では、夏場に実施された2回の利上げに加え、来年にかけて最大4回の追加利上げが必要になるとの見方が広がっている。
ただ、ラガルド氏は市場の一部の積極的な利上げ観測をけん制する姿勢を示し、米イラン紛争に起因する原油・ガス価格の高騰が物価上昇の主な要因であると指摘。
その上で「今後、インフレ率の上昇が見込まれるが、それが定着しつつある兆候はまだ見られない」とし、「現段階では、エネルギー価格が賃金上昇に波及している証拠は見当たらない」と述べた。
さらに「今回のショックは一時的なものとして受け止めるには大きすぎる一方、われわれはインフレを抑制するには慎重な対応が適切であると見ている」と言及。一方で、インフレ指標は上振れリスクに傾いており、見通しを巡る不確実性は極めて高いことを認めた。
「慎重な対応」の定義は明確ではないものの、エコノミストによると、3カ月間隔で実施された最初の2回の利上げが目安になるという。
ラガルド氏は、経済動向については楽観的な見方を維持。製造業は堅調に推移し、労働市場も底堅く、投資も成長を支えるはずだと述べた。