Kentaro Okasaka Sam Nussey

[東京 25日 ロイター] - 自民党の半導体戦略推進議員連盟の山際大志郎会長(元経済財政相)は、政府が支援し先端半導体の量産を目指すラピダス(東京都千代田区) について「現段階では奇跡的にオンスケジュールで進んでいる」と評価した。量産が実現すれば、世界的な供給不足を追い風に顧客は確保でき「ファイナンスも新規株式公開(IPO)もうまく進む」とし、将来的には需要の多い米国での上場や現地生産も「あり得る話だ」と語った。

ロイターのインタビューで述べた。ラピダスへの政府からの研究開発委託費はこれまでに約2兆4000億円に達する。昨年7月に北海道千歳市の拠点で回​路線幅2ナノメートル級半導体の試作品の動作を確認し、量産に向けた調整を進めている。山際氏は「絶対大丈夫だという根拠もないような自信を示すのも誠実ではないし、全然ダメだという悲観論も否定していいと思う。来年の今ごろまでには量産体制を整え、チップが量産される姿を世の中に示すことが大事だ」と述べた。

日本の半導体産業は1980年代にシェアトップを誇ったが、日米半導体協定による貿易規制が強まる中で衰退を余儀なくされた。山際氏は「敗戦」の反省から、今回は最初から米国企業と組み「ウィンウィンの関係」を志向していることや、「中途半端に公の支援をやめず、最後の最後まで政府もコミットする」という姿勢が数十年前の半導体戦略と大きく異なる点だとした。

AI・半導体は高市早苗政権が掲​げる17の戦略分野の筆頭に掲げられている。山際氏は「経済を使った威圧が普通に行われる世の中になってしまった。日本がこれから先も世界の中で輝く国として存在し続けるためには、必須の物質である半導体をわれわれの武器にする以外に生き残る道はない」と強調した。

半導体業界では、韓国のSKハイニックスが日本でのメ‌モリー半導体工場建設を検討していると報じられている。山際氏は韓国勢の進出について「製造拠点が日本にあればサプライチェーン(供給網)が強くなる。基本的には歓迎されるべきものだ」としつつ、日韓協力については韓国の中ロ両国との距離感を踏まえ、技術や人材流出のリスクと比較衡量して「どこまでなら一緒にやれるかは厳しく見なくてはいけない」と語った。台湾についても親中派の政権が発足した場合のリスクがあると述べた。

自民党の自動車議連の事務局長も務める山際氏は、車載ソフトウェアを無線通信で更新する「OTA(オーバー・ジ・エア)」技術を備えた中国製電気自動車(EV)について、外部からコントロールされ、一斉停止や暴走が引き起こされるといった「経済安全保障上のリスクを考えざるを得ない。中国製の車をそこまで信用していいかどうかはきちんと議論して結論を出さなければいけなくなると思う」と話した。

<飲食料品の減税は「必ず通す。所与のもの」>

山際氏は、自民党の税制調査会小委員長も務める。飲食料品の消費税率を2027年4月か‌ら1%に引き下げる政府方針については、帝国データバンクの調査で日本経済の活性化に「‌つながらない」との回答が過半数を占めるなど異論も多い。山際氏は「賛否両論あるのは認識している。物価高対策としてやるものなので、経済浮揚効果というよりは、痛みを緩めるためのものだと考えてほしい」と説明。

消費税減税は高市首相の公約で「国民との約束は果たすのが当たり前だ」とし、少数与党の参議院で法案が否決されても「衆議院に戻して必ず通す。(減税は)所与のものとして扱ってもらった方が良い」と語った。

※インタビューは24日に実施しました。

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