Arasu Kannagi Basil Anirban Sen
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 大手マルチマネジャー型ヘッジファンドが、個別の顧客から投資を一任されて運用する外部ファンド「セパレートリー・マネージド・アカウント(SMA)」への資金配分を増やしていることが、ゴールドマン・サックスのリポートで明らかになった。業界で運用人材の獲得競争が激化していることを浮き彫りにしている。
ロイターが閲覧したゴールドマン・サックスのプライムブローカレッジ部門の調査・分析部門によるリポートによると、SMAの運用資産は2025年末時点で2550億ドルで、24年から20%増加した。
かつてはニッチな存在だったSMAは、投資家や資金配分を担う投資家の間で選好され、ここ数年で急速に拡大している。
ヘッジファンド業界の専門家によると、大手機関投資家が大規模なマルチストラテジー型ヘッジファンドに傾斜する中、ファンド運用会社は複数の投資家の資金をプールして運用するのではなく、単一顧客ごとに資金を運用する選択を強めている。
ゴールドマンのリポートは「採用可能な投資人材不足で、マルチマネジャーはSMAを利用し、独立系の第三者ヘッジファンドに資本を投じる動きを強めている」と指摘。SMAの成長率は引き続きヘッジファンド業界全体を上回っているとした。
単一の資金配分者または資金運用会社向けに設定されるSMAは、投資家に透明性の向上、資産に対する管理権限の強化、運用報酬や成功報酬の交渉機会を提供するよう設計されている。08年の世界金融危機後に利用が広がった。近年は、高金利環境を活用し、多様なヘッジファンド戦略からより大きな収益を得る可能性を追求するため、資金配分者の間でSMAの利用が増えている。
ゴールドマンは、SMAが運用するヘッジファンド資産が過去10年間で年率13%増加したと推計している。業界全体の年率5.5%を上回る伸びとなる。
SMAは現在、業界全体の運用資産の7.4%を占め、全ヘッジファンドの半数が少なくとも1つを運用している。年金基金や政府系ファンドの間でもSMAの利用が拡大しているとリポートは指摘した。
「最大手運用会社(運用資産50億ドル超)で最も大きな伸びが見られ、SMAを運用する企業の割合は24年から6%増えた」という。大手の運用会社では、運用するSMAも最も大きく増加しているとし、より充実した経営資源と拡張可能な運用体制を備え、追加のSMAを比較的容易に受け入れられることが一因との見方を示した。
SMAをポートフォリオに組み入れている企業は、複数投資家の資金をプールして運用する投資家に比べ、約0.4%高いリターンを達成したという。
リポートによると、ヘッジファンド投資家の大半は現在、流動性の条件で単一顧客向けファンドと同等の条件を受け入れる意向を示しており、より有利な条件を確保する競争の激しさを示している。
また、ファンド・オブ・ファンズやマルチマネージャーは、ビジネスや競争の観点から排他性を求めることがより一般的だが、資金配分者は大半が、運用会社に排他性を要求したり、追加のSMAを引き受けることを制限することはないとした。