John Irish Tom Balmforth

[国連 23日 ロイター] - 米ニューヨークの国連本部で今週開かれている国連総会に集まった欧州各国の閣僚は、ウクライナに侵攻したロシアが欧州全域で破壊工作やサイバー攻撃などを激化させていると警戒感を示した。ロシアはそれらの攻撃によって西側諸国の対ウクライナ支持を弱めようとし、複数の閣僚は欧州諸国がロシアに断固として対応してきたことが成果を挙げていると主張した。

エストニアのツァフクナ外相はロイターに対し、ロシアの攻勢は「恐怖を生み出し、事態悪化への恐怖をあおることで私たちを分断し、結束を揺るがすことを目的としている」と指摘。これに対する「主要なメッセージは『プーチン(ロシア大統領)に事態の悪化への恐怖をもてあそばせてはならない』ということだ」と強調した。

一方で「ロシアが北大西洋条約機構(NATO)や欧州諸国に対して何らかの軍事的な侵攻を積極的に進める能力があるとは見なしておらず、そのような準備を進めているとも考えていない」との見解を表明。ロシア軍がウクライナで激しい戦闘を続ける中で、そうした作戦に踏み切る能力はないと分析した。

欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相に相当)は記者団に対して「欧州での破壊工作や領空侵犯が急速に増加している」とし、「ロシアは欧州を脅してウクライナ支援を縮小させようとしている」とけん制した。

カラス氏はロシアがより大きなリスクを冒す用意があるようだとの見方を示し、対策としてロシアが欧米の制裁を逃れて石油を輸送するために利用する「影の船団」や、複合軍需産業を含めたより厳しい対ロ制裁によって圧力を強めるべきだと主張。「ロシア経済は最もぜい弱な部分の1つであり、戦闘を止めさせるために私たちは対ロ圧力を強める必要がある」と語った。

ポーランドのシコルスキ外相はロイターに対し、ロシアによる放火や爆破、ドローン(無人機)による侵入、ポーランド当局が自国領空への巡航ミサイルの意図的な侵入だと主張する事例を挙げながら「これらは単なる脅威ではなく、実際の攻撃だ」と問題視。その上で「接近してくるドローンやミサイルが実際に何であるかや、いつ来るのか分からないため、わが国のF16戦闘機はほぼ毎日緊急発進している」と説明した。

ルーマニアのトイウ外相はロイターに対し、ロシアがドナウ川や黒海沿岸のウクライナのインフラに対する攻撃を激化させているのを背景に、ルーマニアの首都ブカレストではドローンや破片の落下が100件超確認されたと説明。「わが国が直接標的とされていることを示すデータはないものの、それによってロシアが引き起こしているリスクの責任が変わるわけではない」と強調した。

ロシアがウクライナのエネルギーインフラへの攻撃を激化させると予想されている冬を控え、リトアニアのブドリース外相は「ロシアは寒さを武器として利用するだろう」と警告。EU加盟国によってウクライナ支援が不均一なのを指摘し、欧州諸国が支援を強化するように促した。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。