今回、子グマが死んだのは、タホ湖周辺でクマと車の衝突に対する懸念が強まる中での出来事だった。カリフォルニア州ウェストサクラメントのテレビ局KOVRによると、周辺の道路ではわずか2週間で6頭の子グマが道路上で命を落とした。
BEARリーグは動画に添えたキャプションの中で、「ドライバーが無責任だったとは限らない」「こうした悲劇の多くは、タホ周辺の法定速度が高すぎることが原因だ」と指摘し、法定速度の引き下げを訴えた。
BEARリーグのアン・ブライアント代表は、現在設置されている黄色い野生動物注意の標識だけでは不十分だと主張する。周辺の自治体に対しては、ドライバーが気付いて減速できるよう、移動式の発光板標識を設置するよう呼びかけている。
「我々は走り回って小さな子グマの死骸を回収している」とブライアントはKOVRに語った。
連邦と州、自治体の野生生物専門家で構成する「タホ・インターエージェンシー・ベア・チーム」はドライバーに対し、特に夜明けや夕暮れ時、夜間は速度を落として慎重に運転するよう呼びかけている。子グマは母グマのあとを付いて歩くことが多く、クマが1頭道路を横断すると、別のクマも続いて横断することがあるという。
クマが冬眠前の過食期に入ると危険はさらに高まる。この時期のクマの摂取量は1日2万5000キロカロリーにも達することがあり、1日中餌を探し回って移動が増える。タホ周辺ではこの夏、クマと車の衝突が増加しているという。
野生生物当局はドライバーに対し、クマに遭遇した場合は速度を落とし、ほかのクマがいないかどうか確認するよう促す一方で、急ハンドルを切ったり、車道上で停止したりはしないよう呼びかけている。カリフォルニア州魚類野生生物局によれば、急ハンドルを切れば対向車線にはみ出したり、道路から外れて事故を起こしたりする恐れもある。
同局は本誌の取材に対し、タホ地域では年間を通じて啓発活動を行っていると説明。ネバダ州野生生物局やカリフォルニア州立公園局、米森林局などとも連携して、住民や観光客に対し、法定速度を守って野生生物に注意するよう呼びかけているとした。
なお、野生動物の横断に注意を促す常設の標識や点滅灯については、クマと車の衝突事故を減らす長期的な効果はないことが科学的な研究で実証されているという。
最も効果的なのは、ゴミや人の食べ物、庭の鳥の餌台、住宅の床下空間など、クマを人の居住地域に引き寄せて車と衝突する危険にさらす原因となるものを、適切に管理したりなくしたりすることだと同局は指摘している。
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