Forrest Crellin
[パリ 15日 ロイター] - フランスの幅広い業界の労働組合が15日、賃金水準や燃料価格高騰などに抗議するストライキを実施した。電力供給の制限やガス輸送の停止が起き、デモ行進も繰り広げられた。
フランス電力(EDF)によると、15日正午時点で電力・ガス産業労組に所属する従業員の59%に当たる約3万8000人がストに参加し、参加率は数十年ぶりの高水準となった。ストで8基の原子力発電所とガス火力発電所1カ所での発電量が抑制された。
フランス政府は予算案を近く提出する予定だが、2027年の大統領選を控えて議会内の各政党が態度を硬化させているため、極めて微妙な作業が待ち受けている。
フランスの26年の国内総生産(GDP)成長率は、従来予測よりも大幅に鈍化すると見込まれている。財政赤字はGDPの5%を超えており、政府目標を達成できなくなる見通しだ。
長年にわたって財政赤字の削減に取り組んできた政府は、支出抑制には総力戦が必要だと表明している。このため労組からは財政緊縮策への懸念が出ている。
パリでは警察労組が右派政治家らとともにデモ行進し、賃金引き上げと福利厚生の拡充を要求した。警察官はストが禁止されているため、休憩時間に参加した。
警察労組「アライアンス」のロイク・トラバース副事務総長は「私たちに残された唯一の選択肢は、街頭で力を示すことだ」と訴えた。
南部では漁師らが燃料費高騰に抗議し、燃料貯蔵施設を封鎖した。
フランス最大の液化天然ガス(LNG)受け入れ基地ダンケルクLNGでは、エネルギー部門の労働者らが従業員向け電力割引制度の変更案に抗議してストを実施。運営会社フルクシスのデータによると、供給能力が日量4ギガワット時に低下した。
運営会社エレンジーによると、同国の他の3つのLNG受け入れ基地は通常通り稼働していた。
フランスは欧州最大級の域内ガス輸出国となっており、冬を控えてガス貯蔵量の補充に奔走している。ドイツをはじめとするガス依存度の高い国々は、欧州連合(EU)が定めた貯蔵目標に届いていない。