Nivedita Balu Divya Rajagopal

[トロント 15日 ロイター] - カナダのカーニー首相は15日、企業が新たに行う大半の設備投資について、税制上の費用を即時償却できる制度を大幅に拡充して恒久化すると発表した。経済競争力の強化と海外からの投資呼び込みが狙い。

カーニー氏は今週トロントで開かれている投資サミットに世界各国の投資家を招き、米国との貿易戦争に対応するために重要と位置付ける160件超のプロジェクトへの資金呼び込みを目指している。

即時償却制度の対象は新規設備投資資産のおよそ3分の2に及び、鉱業、石油・ガスパイプライン、ソフトウエアなどの分野が含まれる。カーニー氏はサミットで「カナダに投資すれば、その投資額のかなりの部分を直ちに控除できるようになる」と説明した。

政府声明によると、この措置により新規事業投資に対する実効限界税率は約13%から6.4%に低下し、主要国で最も低い水準で、米国と比べると半分以下になるという。

新制度は「生産性向上大型控除」と呼ばれ、1年前の予算で導入された税制優遇措置を拡充して恒久化するもの。カナダ石油生産者協会(CAPP)はこの措置について「資本コストの償却を巡る米国との大きな競争力格差を埋める」と評価。CAPPのリサ・ベイトン最高経営責任者(CEO)は「カナダは石油・天然ガス産業の競争力向上に向けて、世界有数のエネルギー投資先となるための大きな一歩を踏み出した」と述べた。

カーニー氏は規制緩和や鉱業、エネルギー、テクノロジー、インフラ分野の開発促進を通じ、今後5年間で1兆カナダドル(7180億米ドル)の投資を呼び込む方針を掲げている。

サミットに出席した米資産運用大手ブラックロックのラリー・フィンクCEOは「政府が今回示した計画を実行すれば、カナダへの投資額がより増える状況が生まれるだろう」と期待を示した。

またカーニー氏は大規模プロジェクトの審査期間短縮も改めて約束。さらにトロント、モントリオール、カルガリー、バンクーバーの国内4大空港について、長期運営権の付与を通じて民間投資を呼び込む考えを示した。「土地や資産の所有権は維持するが、新たな資本と専門知識を導入することで、空港の運営と成長の価値を最大限に引き出す」という。

カーニー政権の重点政策は、同じ自由党所属のトルドー前首相が重視した人権、気候変動、先住民問題から経済成長や投資促進へと軸足を移した内容となっている。サミットには北米、欧州、アジア、中東の投資家や企業幹部が参加。米ブラックストーン、アポロ、JPモルガンのほか、ノルウェー政府年金基金を管理するノルウェー中央銀行の部門、シンガポール政府系ファンドのGIC、テマセク、カタール投資庁などが顔をそろえた。中国国際金融(CICC)や中国投資有限責任公司(CIC)も参加しており、カナダ政府が中国との関係強化も模索している様子がうかがえる。

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